やや大きな洞窟を発見できたのは僥倖だったろう。見落とさなかったのは先行して休憩する場所を探していたリイディの観察眼によるものが大きい。入り口はしゃがまないと入れないが、防空壕に似た作りになっており、内部は十人が入ってもまだスペースがあるほど広く、ただし灯りの類はなかった。それが天然のものであるとはわかったが、広さと深さを確認したリイディはすぐに全員、入るようにと指示を出す。怪我をしたあかは、正晴とリイディの二人で慎重に運んだ。
そこからのリイディは、きっとその場にいる誰もが見たことのない顔になって指示を飛ばした。