事務所にいる役10人の組員、そして信行はずっと組長である忠志を待っているが、当初の1時間で帰る予定がもう3時間も過ぎているのだ。
最初は苛立っていた信行ではあったが何かおかしいと思い始め、桜井組若頭の雄二にあることを耳打ちし、雄二は事務所を出て行った。
事務所にいる役10人の組員、そして信行はずっと組長である忠志を待っているが、当初の1時間で帰る予定がもう3時間も過ぎているのだ。
最初は苛立っていた信行ではあったが何かおかしいと思い始め、桜井組若頭の雄二にあることを耳打ちし、雄二は事務所を出て行った。
コーヒーのお替りはいりませんか?
いらない
この部屋の空気は非常に重いものになっていた。
信行は顎に手を当てて何かを考えている様子でピリピリしている雰囲気を醸し出していた。
信行さん!
大変です!
何か分かったのか?
オヤジがさらわれました。
雄一郎に聞いたところ中川剛が絡んでいるようです・・・
どうすれば良いでしょうか・・・
雄二がそう言った途端に周りの組員がざわめき始め、明らかに同様が広がっていた。
それでも信行は慌てず、じっくりと何かを考えているようだった。
信行さん!!
あぁ、金庫に最新のパソコンがあるだろ?
それを俺の所に持って来い。
GPSで居場所を探知する
自分たちは?
それはお前の仕事だろ。
俺は組員じゃないんだからよ
は、はい・・・
持ってきました!
ご苦労様。
どいてろ、直ぐに始める
すると手を鳴らし、首を鳴らし、背中をならすと大きく深呼吸をしてPCの画面を見た。
その目は何か遠くの獲物を捕らえる鷹のような目をしていた。
事務所内では慌てふためく組員とその組員たちを統制しようとする雄二、そんな騒音をお構いなしにハッキングを進める信行、一見どうしようもない状況だが、信行の頭にはある構想が練りこまれていた。
しかし信行はそれを雄二には告白していない。
まだあるものの確信がないからだ・・・
捕らえた・・・
信行のその一言で全ての組員が信行の周りに集まった。
どこですか!?
中川名義の倉庫だ。
桜大橋の近くの倉庫だ
ありがとうございます!
行ってきます!
雄二はちょっと待て
え、でも・・・
早く行かないと・・・
良いから話を聞け
分かりました・・・
そして二人だけになった事務所で信行はあることを話した。
信行の仮説はこうだ・・・
忠志は何かをするために中川剛の情報が欲しかった。
そして中川の情報を集めるために信行に頼んだ。
しかし何らかの事情で信行の情報を待てずに中川に会いに行ってしまった。
そこまで話した時に雄二が話しを止めた。
すみません・・・
会いに行くなら自分たちに何か言って行くのではないんですか?
命を狙われるかもしれないので
そこは簡単だ。
桜井のオヤジは極度の仲間思いだからな。
恐らくお前らに心配かけさせたくなかったんだろ
そんな・・・
オヤジ・・・
まぁ、そこは置いておこう。
次に会いに行ってからだ・・・
恐らく自分が持っている情報だけで中川をどうにかしようとしたんだろう・・・
あのオヤジの事だ、多分焦って何か口走ったんだろ。
そんで監禁された・・・
その通りだったら許せねぇ・・・
中川・・・・・・
まぁ、落ち着け!
俺はちゃんと切り札を持ってる。
相手がオヤジを渡さないと言ったらあいつの情報をネットに流す
オヤジが戻ってもお願いしますね!
その後二人が1時間ほど事務所で皆の帰りを待っているとドアが開いた。
あぁ・・・
帰ってきた・・・
お帰りなさい!
おう・・・
信も悪かったな!
本当だよ・・・
まぁ、金貰ってたからここまでやってやったよ。
で?
あいつの情報ネットに流すか?
やってやれ!
あいよ
ポチ
信行はエンターキー一つ押すと静かに笑った。
それにつられて雄二、忠志も笑って互いにハイタッチをした。
その頃とあるオフィスでは・・・
何だこれは~!!!
そ、そんな・・・
私の写真が・・・
こんな事・・・
誰が・・・
私はもう終わりだ・・・・・・
続く・・・