10 秘密の追跡(写真部side)
リディアとフレデリックがエンジェルストリート古書店を訪ねる、少し前のこと――。
ハイスクール写真部の部員たちは、古書店の前に集い息を潜めていた。
彼らは放課後、ランプの見せる幻の調査のため訪れた。
けれどそっと店内を覗こうとした瞬間、女主人が中年の男とともに出てきて、そのままどこかへ向かったのだ。
10 秘密の追跡(写真部side)
リディアとフレデリックがエンジェルストリート古書店を訪ねる、少し前のこと――。
ハイスクール写真部の部員たちは、古書店の前に集い息を潜めていた。
彼らは放課後、ランプの見せる幻の調査のため訪れた。
けれどそっと店内を覗こうとした瞬間、女主人が中年の男とともに出てきて、そのままどこかへ向かったのだ。
ぜっっったい!おかしいですよ!早く追いかけましょう!
グリーンが主張すると、他の二人も頷く。
これはもしかして、私が見たあの夜のことと関係があるのかしら……
ん?何ですか、スカーレット先輩。もしかして、何か知っているとか?
なっ……まさか!私は何も知らないわ!
スカーレットが何気なく呟いた言葉を、グリーンが問い質す。
けれどスカーレットは慌てふためいて否定し、次に深刻そうな表情をした。
そうね。あの二人、なんだか只ならぬ気配を発しているし。グリーン君の言う通り、追いかける価値はあるかもしれないわ
ふふふっ。なかなか面白くなってきたわ……我が写真部が、ついにスクープを得る時が来たようね
ローズはいつもの控えめな表情ではなく、好奇心に満ちた目をして笑った。
こうして写真部の面々も、ヴィクトリアとエドウィン氏を追ったのだった。