○ 大学・講義室
○ 大学・講義室
携帯のメール画面
ユウナから着信
『いまどこ?』
『307号室』
『1人??』
『ひとり』
『そっちに行っていい?』
『待ってる』
『OK』
ポンッ
おはよ
早かったね
丁度、近くを通ってたから
午後の授業は??
休講になったからどうしようかなって
結那は?
次の授業で終わり
え、じゃあ授業終わったら将太くんち行っていい?
いいよ〜
なら、ちょっと実習室でレポート書いて待ってるから、一緒に帰ろう
え?ホント?
ありがとう!
授業終わったら連絡するね!
うん、よろしく
じゃあ、またあとで!
またあとで
○ 大学・正門付近
結那がやってくる。
お待たせー
こっちも今来たとこ
ホントに??
結那が顔をのぞき込む。
なに??
相変わらず優しいね
ホントに今来たとこだって
ふーん
行こっか
うん
#07「餃子と麻婆豆腐」
○ 駅前
どうする?晩ご飯食べてく?
うん
そのつもり
じゃあ、買い物してから帰ろう
はーい
○ スーパー
今日は何作るの?
うーん…
どうしようかなぁ。何か食べたいものある?
中華!!
…とか?
中華…か
結那
え?
お手伝いしてくれる?
な…なにを?
餃子作ろう
作ったことある?
あるよ!
私、包むのうまいんだよ!
餃子作ろう!
じゃあ…餃子と…
あ、麻婆豆腐食べたい
麻婆豆腐??
じゃあ、麻婆豆腐も作ろうか
やったね!!
じゃあ、買う食材が決まったね!!
ネギはこれで良いかな…
将太がカートのカゴに長ネギを入れる。
ふふ
どうしたの?
なんか新婚さんみたい、だなって
え?
ほら、2人でこうやって食材の買い物してると新婚さんに見えるかなぁって
ね、そう思わない?
う、うん
手とか繋いじゃう??
う…
あ、ひょっとして照れてる?
て、照れてないし
照れてるし〜
将太くん可愛い〜
なっ
ほら、好きなお菓子1個だけ買ってきて良いよ〜お姉さんが買ってあげる〜
うぅ……
ふふふ
○ 将太の自宅・玄関
ただいまー
お邪魔しまーす
お腹空いたー
じゃあ、手を洗ったら作ろっか
そうするー
○ 将太の自宅・キッチン
では、始めます
了解であります!
【餃子を作る その1】
白菜、ねぎ、しいたけをみじん切りにする。
ニンニクと生姜をすり下ろしておく。
豚挽肉に塩を入れて粘り気が出るまでこねていく。
挽肉に結構お塩入れるのね
うん、ここできちんとこねておくのがポイント
へぇ〜
粘り気が出たらみじん切りにした白菜、ねぎ、しいたけ、すり下ろしたニンニクと生姜を入れる。
赤味噌、醤油、胡椒、中華スープの素を加えて、さっくりと混ぜていく。
ここであまり力を入れて混ぜちゃうと野菜から水分が抜けてしまうので優しく手早く混ぜる
ふんふん
赤味噌入れるのね、味噌味にならない?
大丈夫。赤味噌を入れることでコクが出るし、味噌味にはならないから安心して
ほっ
混ぜ終わったら種が完成。
※少し冷蔵庫で寝かしてもOK。
寝かしてもOKだけど、水分が出ちゃうから手早く皮で包んでいくのがオススメ
私の出番だね!
うん、よろしくね
あれ?
どうした?
お水使わないの?
あ、包む時に?
うん
使いません
え!?
じゃあ、お手本をお見せします!!
※今回は市販の皮を使います。
少し多いかな?と思うぐらいの餡を皮に乗せて半分に折る。
その際、皮を伸ばすようにぎゅっと押さえる。
餡の中に含まれる水分で皮を接着するため、水は必要ありません。
※冷蔵庫で寝かせてしまうと水分が減るため、必要に応じて水で皮の端を濡らして接着して下さい。
こんな感じ
ギザギザにしないんだ
してもいいけど、上手くやらないと開いちゃうから
ぎゅっとするだけのこっちの方が簡単だよ
なるほど
あと、水を使って皮があまりべたべたになっちゃうと焼く前にぺたんこになっちゃうので、この作り方の方が失敗しないんだよ
へぇ〜
じゃあ、包んじゃおっか!
はーい!
ねぇねぇ
ん?
なんかさ、こうやって2人で黙々と1つの目標に向かって作業するのっていいよね
目標っていうほど大げさじゃないけどね
ちっちっちっ
将太くんは乙女心をわかってないなぁ
そう??
全然わかってない
なんかごめん
そこは、ノってくれなきゃ
どんな風に?
…え!?
…うーん
2人で1つの目標に向かって作業するのっていいよね
ふっ、結婚という目標に比べたら餃子を包むぐらい簡単さ
まぁ
僕が君をリードしてみせるさ
素敵
餃子を包み終わったら…
終わったら?
君を僕の愛で包み込んで上げる
ズキューン
みたいな??
みたいな、じゃないし、なんか恥ずかしいし
というか餃子包むの飽きたんでしょ
え、なんでわかるの??
やっぱり
とりあえず、僕の分は終わったから残りはよろしくね
はやっ
結那が残りの餃子を包んでくれている間に麻婆豆腐を作っちゃうね
はーい
【麻婆豆腐を作る】
長ネギを細かい輪切りにしていく。
鍋に豆腐と水、塩を入れて沸騰させる。
※今回は木綿豆腐を使用しましたが絹ごし豆腐でも大丈夫です。
フライパンに豚挽肉を入れて平らにする。
※テフロン加工などのフライパンは油を引かなくて大丈夫です。鉄鍋などの場合はごく少量の油を引いて下さい。
油が出て、色が変わるまで極力触らないようにする。ただし、フライパンに焦げ付かないように注意する。
ネギを入れて香りが立つまで炒める。
挽肉とネギを少し端に寄せて、空いた場所に豆板醤、赤味噌を入れる。(少し水分を飛ばすため。)
味にムラが出ないように全体に回るように炒める。
沸騰した豆腐をお玉ですくいながらフライパンに入れていく。
この時、豆腐と一緒に少量の茹でた水が入るのはOK。
※あまり水が入ってしまうと味が薄くなってしまうので気をつける。気になる人は穴あきお玉で豆腐をすくってからあとでお玉で水分量を調整する形でもOK。
あまり豆腐が崩れないようにやさしく、手早く混ぜていく。
塩、コショウで味を調え、最後に花椒油を回し入れて完成。
※お皿に盛りつけたあと、お好みで花山椒をかけても美味しいです。写真は花山椒をかけたもの。
はい、麻婆豆腐完成
おー
スゴい山椒の香り!!
じゃあ、麻婆豆腐が冷めないうちに餃子焼いてくよ!
はーい!
【餃子を作る その2】
焼く前の準備。
フライパンを十分に熱しておく。
コップに餃子が3分の1くらい浸るくらいのお湯を準備しておく。
フライパンが温まったら油を引いて、手早く餃子を並べていく。
強めの中火。
お湯を回し入れてすぐに蓋をする。
この時、出来た蒸気で蒸し焼きにするため逃がさないようにする。
※お湯ではなくお水を使用しても問題ないのですが、フライパンの温度が下がってしまい蒸気が出来にくくなるため、綺麗に焼き上がらない場合があります。
水分が蒸発して、フライパンの音がチリチリになってきたら蓋を開ける。
※透明なガラス蓋を使用するとわかりやすいです。
ごま油を餃子の上から、全体にかけてしばらく焼きます。
※水分が残っていると油が跳ねますので気をつけて下さい。
頃合いを見計らってフライ返しなどでフライパンからお皿へ。
完成です
すごーい
ちょっと羽根が出来てる!
餃子の皮がくっつかないように打ち粉がついてるんだけど、包むときにお水を使って皮がべたべたになると打ち粉が皮にくっついちゃうんだよね
この作り方だと打ち粉はそのままだから保存するときはくっつきにくいし、焼いたあとに少し羽根が出来るんだよ
なるほど
早く食べたそうだね
えへ
バレた?
だってすごく美味しそうなにおいが今部屋に充満してるんだもん
確かに
じゃ、早速食べようか
うん
準備するね
よろしく
○ 将太の自宅・リビング
いっただっきまーす!
いただきまーす
餃子をぱくり。
うっまーーーーーー
味がしっかりしてるから、タレなくても全然大丈夫だ!
あと味噌味じゃない!
でしょ?
おいしーーー
麻婆豆腐もいただきます
召し上がれ
お…これは…
山椒の香りがすごくいいね!そんなに辛くない…
……
辛い!あとからきた!
でも美味しい!!
たくさんあるからそんなに焦らなくても
えぇ…だって美味しいんだもん
ハムスターみたいになってるよ
えっ
でも、美味しいって言ってくれて嬉しいよ
また一緒に作ろうね
うん、餃子包むのは任せて!!
また餃子なの??
今のところは餃子しか出来ない!!
じゃあ、次も餃子で
おっけー
笑う2人。
第7話 おわり
・*°☆今回の材料一覧☆°*・
*餃子(36個分)
豚挽肉…300g
長ネギ(白い部分)…3本
白菜…4分の1カットを半分
椎茸…6個
生姜…1片
ニンニク…1片
醤油…小さじ1
塩…適量
胡椒…適量
赤味噌…小さじ2
中華調味料(鶏ガラスープの素)…小さじ2
サラダ油…適量
ごま油…適量
*麻婆豆腐(2~3人前)
木綿豆腐…1丁
豚挽肉…200g
長ネギ…適量
豆板醤…大さじ1~2
赤味噌(だし入り)…大さじ1
花椒油…適量
粉山椒…お好みで
塩…適量
コショウ…適量
次回、第8話は7月17日(金)公開予定です。