ミヤ

さ、線引きに石灰を入れましょうか。

タキ

ん、なあ……ちょっと
気になることがあるんだが。

ミヤ

なに?

タキ

いや、さっき屋上で言いよどんだ
ことなんだけど……
言ってないのに、お前に言ったような
気がするんだよな。

ミヤ

そうなの……おかしいわね。
ねえ、携帯の時間を見せてくれる?

2024年
6月10日(月)
13:55

ミヤ

変ね……屋上で確認して
裏庭からここまで来ただけにしては
時間が経ちすぎているわ。

タキ

たしかに……

ミヤ

もしかして私達……
校門から出たのかもしれない。

タキ

えっ!?ああそうか、校門から
出ると記憶が飛ぶって……

タキ

……

ミヤ

あ、ちょっと……

タキ

……うっ、

ミヤ

だ、大丈夫!?

タキ

ん……

タキ

あれ、あたしは……

ミヤ

校門に向かって行って、
倒れかけたのよ。
無茶はやめてちょうだい……

タキ

あ、ああ……悪いな。
っと……

ミヤ

まったく……どこも怪我はない?

タキ

おう。ありがとうな。

ミヤ

ええ。

ミヤ

ところで、屋上で言い淀んだ
ことって一体何だったの?

タキ

……いや、それはもういいんだ。
なんか杞憂っぽかったしな。

ミヤ

……そう、ならいいわ。じゃあ、
気を取り直して作業をしましょう。
石灰の袋を……

ミヤ

……あら?これは……

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