シンディ

さーてと、前回どこまで進んだんだっけ?

ライナー

本を探してほしいと言われて、探す本が現代小説の「ラテシン国物語」ということを確認した。
その本は1冊貸し出し可能で、1冊が貸し出し中になっており、2階に小説のコーナーがある……と、こんな感じかな。

シンディ

はい、よくできました。

ライナー

はぁ、そりゃどうも。

ライナー

探している本が現代小説、2階に小説のコーナーがあるのなら、そこを探せば見つかるかもしれない。

ライナー

……と思うのだが、シンディが前回言っていたことがとても気になるな……

シンディ

フフ……私が何を言ったか知らないけれど、とりあえずその方針でやってみたらいいと思うよ。この問題には制限時間も、質問回数も無いからね。

ライナー

自分で言ったことを忘れたのかよ。

ライナー

しかし、確かに考えるだけでは進まないな。とりあえず2階で「ラテシン国物語」を探してみることにしよう。
カメコさん、2階に行ってみてくれませんか?

カメコ

2階についたよ。

ライナー

小説のコーナーに行って、「ラテシン国物語」を探してみてくれませんか?

カメコ

……範囲が広すぎて、一人じゃ時間がかかりそうね。
もう少し範囲を絞ってもらえれば助かるのだけれど……

ライナー

ふむ……確かに、一口に「小説」と言ってもいろいろあるからなぁ。図書館の広さによっては、一日がかりになりそうだ。

ライナー

よし、少し範囲を絞ってみよう。
カメコさん、2階に現代小説のコーナーはありますか?

カメコ

ええ。小説のコーナーに3列分ほどあるわよ。

ライナー

まだ範囲が広いな。
本はどういう順番に並んでいますか?

カメコ

タイトル順に並んでいるよ。
作家順みたいではないみたい。

ライナー

よし、これでかなり絞れたな。
カメコさん、「ラ」の棚から「ラテシン国物語」を探してくれませんか?

カメコ

……探したけれど、見つからないわ。

ライナー

え……見つからない?

シンディ

フフフ、見当が外れて困っているようだね。

ライナー

いや、まあ、そうそううまくいくとは思っていなかったが……

シンディ

まあ、これであっさり見つかったら、問題にするまでもないからね。

ライナー

そりゃそうだよな。これじゃあただの本探しナビゲーターだ。

シンディ

ん、それ、ライナー君の新しい職業?
給料安そうだけど。

ライナー

いや、多分それ図書館の職員の仕事の一つだと思うけど。給料はどうか知らないけれど。

シンディ

案外ライナー君にはあっているんじゃないかな。本探し専門の探偵とか。

ライナー

いや、多分今の子は検索する機械をつかったりすると思うよ。

シンディ

お年寄りは使わないのかい?

ライナー

いや、そういう意味ではなくてだな……

シンディ

まあ、私はライナー君の老後の話なんて、興味はないのだけれどね。

ライナー

私の老後の話だったのか?

ライナー

それはそうと、要するにただ探すだけでは見つからない。
他の観点から本を見つけ出さないとこの問題は解決しない、恐らくそういうことなのだろう?

シンディ

フフ、そういうことだよ。

シンディ

ただ探して終わり、ではTRPGと変わらない。
あくまでこれは「亀夫君問題」という「水平思考問題」だからね。

ライナー

ふむ、となると、いろいろと考えてみる必要があるな。

ライナー

例えば、本は誰かが読んでいる、並び順はタイトル順だが誰かが他の棚に入れている、ということも考えられるわけだ。

シンディ

ほう、ライナー君にしてはやるね。

ライナー

いやまあ、普通はそれくらいは考えるから。

シンディ

なんだ、分かっているじゃないか。

ライナー

私が普通じゃないみたいに言わないでくれ。

シンディ

水平思考の基本は、「常識の枠を超えて、様々な可能性を考える」ことだからね。
特に亀夫君問題では、「いろいろ試してみる」ことが、解決への近道であることが多いのだ。

ライナー

なるほどね。たしかにいろいろ試してみたほうがよさそうだ。

ライナー

そうだな……本棚に無くて貸し出し可能、ということは、誰かが今持っている可能性が高いな。
しかし、1階には人がいたが、2階に人がいるとは限らない。

シンディ

ほぅ。それで?

ライナー

ひとまず、2階に誰かいるかが気になるな。
カメコさん、2階に誰か人はいますか?

カメコ

本を探している人が1人、図書館の職員が1人、あとは閲覧コーナーで本を読んでいる人が何人かいるよ。

ライナー

ん、閲覧コーナー?
新しい場所が出てきたな。

シンディ

そりゃまあ、図書館だし、本を読む場所があるのが当たり前じゃないのか?

ライナー

いや、それはそうなのだけれど、今まで詳しい情報まで教えてくれなかったから、珍しいな、と。

シンディ

そりゃまあ、必要な情報だからだろう。
問題の内容や出題者によるけれど、質問によっては詳しい内容を教えてくれることもあるよ。

シンディ

もっとも、詳しい情報を引き出すために、登場人物に動いてもらう必要があるものが大半だろうけれど。

ライナー

まあ、せっかく貰った新しい情報だし、活かさない手はないな。

ライナー

カメコさん、閲覧コーナーに行って、「ラテシン国物語」を読んでいる人がいないか、確認してもらえませんか?

カメコ

えっと……あ、いたわよ! 読んでいる人!
背表紙に「ラテシン国物語」って書いてあるから、多分間違いないわ!

ライナー

よし、本が見つかったならこの問題は解決だな。

シンディ

ふぅん、ライナー君はそれでいいんだ。

ライナー

え、どういうこと?

シンディ

いやまあ……っと、そろそろ時間だし、今回はこのへんで切り上げよう。

ライナー

制限時間はなかったんじゃないのか?

シンディ

いやまあ、あんまり長すぎると、読者が飽きるからね。

ライナー

え、そういう問題なの?
もうすぐ解決しそうなのに。

シンディ

そういうわけで、次回もお楽しみに!

ライナー

無理やり終わらせちゃったよ……

【今回のまとめ】
・亀夫君問題はTRPGではない。単に話を進めるだけでは解決にはならない
・さまざまな可能性を考え、いろんなことを試してみよう

いろんな可能性を考える

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