【今回のまとめ】
・亀夫君問題はTRPGではない。単に話を進めるだけでは解決にはならない
・さまざまな可能性を考え、いろんなことを試してみよう
さーてと、前回どこまで進んだんだっけ?
本を探してほしいと言われて、探す本が現代小説の「ラテシン国物語」ということを確認した。
その本は1冊貸し出し可能で、1冊が貸し出し中になっており、2階に小説のコーナーがある……と、こんな感じかな。
はい、よくできました。
はぁ、そりゃどうも。
探している本が現代小説、2階に小説のコーナーがあるのなら、そこを探せば見つかるかもしれない。
……と思うのだが、シンディが前回言っていたことがとても気になるな……
フフ……私が何を言ったか知らないけれど、とりあえずその方針でやってみたらいいと思うよ。この問題には制限時間も、質問回数も無いからね。
自分で言ったことを忘れたのかよ。
しかし、確かに考えるだけでは進まないな。とりあえず2階で「ラテシン国物語」を探してみることにしよう。
カメコさん、2階に行ってみてくれませんか?
2階についたよ。
小説のコーナーに行って、「ラテシン国物語」を探してみてくれませんか?
……範囲が広すぎて、一人じゃ時間がかかりそうね。
もう少し範囲を絞ってもらえれば助かるのだけれど……
ふむ……確かに、一口に「小説」と言ってもいろいろあるからなぁ。図書館の広さによっては、一日がかりになりそうだ。
よし、少し範囲を絞ってみよう。
カメコさん、2階に現代小説のコーナーはありますか?
ええ。小説のコーナーに3列分ほどあるわよ。
まだ範囲が広いな。
本はどういう順番に並んでいますか?
タイトル順に並んでいるよ。
作家順みたいではないみたい。
よし、これでかなり絞れたな。
カメコさん、「ラ」の棚から「ラテシン国物語」を探してくれませんか?
……探したけれど、見つからないわ。
え……見つからない?
フフフ、見当が外れて困っているようだね。
いや、まあ、そうそううまくいくとは思っていなかったが……
まあ、これであっさり見つかったら、問題にするまでもないからね。
そりゃそうだよな。これじゃあただの本探しナビゲーターだ。
ん、それ、ライナー君の新しい職業?
給料安そうだけど。
いや、多分それ図書館の職員の仕事の一つだと思うけど。給料はどうか知らないけれど。
案外ライナー君にはあっているんじゃないかな。本探し専門の探偵とか。
いや、多分今の子は検索する機械をつかったりすると思うよ。
お年寄りは使わないのかい?
いや、そういう意味ではなくてだな……
まあ、私はライナー君の老後の話なんて、興味はないのだけれどね。
私の老後の話だったのか?
それはそうと、要するにただ探すだけでは見つからない。
他の観点から本を見つけ出さないとこの問題は解決しない、恐らくそういうことなのだろう?
フフ、そういうことだよ。
ただ探して終わり、ではTRPGと変わらない。
あくまでこれは「亀夫君問題」という「水平思考問題」だからね。
ふむ、となると、いろいろと考えてみる必要があるな。
例えば、本は誰かが読んでいる、並び順はタイトル順だが誰かが他の棚に入れている、ということも考えられるわけだ。
ほう、ライナー君にしてはやるね。
いやまあ、普通はそれくらいは考えるから。
なんだ、分かっているじゃないか。
私が普通じゃないみたいに言わないでくれ。
水平思考の基本は、「常識の枠を超えて、様々な可能性を考える」ことだからね。
特に亀夫君問題では、「いろいろ試してみる」ことが、解決への近道であることが多いのだ。
なるほどね。たしかにいろいろ試してみたほうがよさそうだ。
そうだな……本棚に無くて貸し出し可能、ということは、誰かが今持っている可能性が高いな。
しかし、1階には人がいたが、2階に人がいるとは限らない。
ほぅ。それで?
ひとまず、2階に誰かいるかが気になるな。
カメコさん、2階に誰か人はいますか?
本を探している人が1人、図書館の職員が1人、あとは閲覧コーナーで本を読んでいる人が何人かいるよ。
ん、閲覧コーナー?
新しい場所が出てきたな。
そりゃまあ、図書館だし、本を読む場所があるのが当たり前じゃないのか?
いや、それはそうなのだけれど、今まで詳しい情報まで教えてくれなかったから、珍しいな、と。
そりゃまあ、必要な情報だからだろう。
問題の内容や出題者によるけれど、質問によっては詳しい内容を教えてくれることもあるよ。
もっとも、詳しい情報を引き出すために、登場人物に動いてもらう必要があるものが大半だろうけれど。
まあ、せっかく貰った新しい情報だし、活かさない手はないな。
カメコさん、閲覧コーナーに行って、「ラテシン国物語」を読んでいる人がいないか、確認してもらえませんか?
えっと……あ、いたわよ! 読んでいる人!
背表紙に「ラテシン国物語」って書いてあるから、多分間違いないわ!
よし、本が見つかったならこの問題は解決だな。
ふぅん、ライナー君はそれでいいんだ。
え、どういうこと?
いやまあ……っと、そろそろ時間だし、今回はこのへんで切り上げよう。
制限時間はなかったんじゃないのか?
いやまあ、あんまり長すぎると、読者が飽きるからね。
え、そういう問題なの?
もうすぐ解決しそうなのに。
そういうわけで、次回もお楽しみに!
無理やり終わらせちゃったよ……
【今回のまとめ】
・亀夫君問題はTRPGではない。単に話を進めるだけでは解決にはならない
・さまざまな可能性を考え、いろんなことを試してみよう