こんにちは、私はカメコ。

 私は今、図書館に来ているの。
 かなり大きな図書館で、私も初めて来たからびっくりしているわ。
 今日はあなたたちにお願いがあるの。本を借りるように頼まれているのだけれど、初めて来た場所だから、どうすればいいかよくわからないわ。
 そこで、一緒に頼まれた本を探してほしいの。出来ることはなんでもやるから、よろしくね。

シンディ

前回の問題文をもう一度載せておいたよ。

ライナー

親切にどうも。

ライナー

……とはいうものの、まず何から始めればよいのか……

シンディ

まったく、「ウミガメのスープ」を始めた頃とまるで変わらないね。

シンディ

「ウミガメのスープ」 の時はどうしていたか、覚えているかい?

ライナー

「ウミガメのスープ」の場合は、ひとまず問題文から考えられる状況を増やしたり、「基礎質問」で外堀を埋めたりしていたな。

ライナー

……ん、基礎質問と言っても、「登場人物が知っている情報でなければ分からない」、だったよな?

シンディ

そうだよ

ライナー

……ということは、「季節は関係ありますか?」や、「図書館であることは重要ですか?」のような質問をしても、知らなければ意味ないのか……

シンディ

そうだね。登場人物が知らない情報は答えられないから、知らなそうな情報を聞くのはあまり効率的とは言えないね。

シンディ

もっとも、「登場人物がその情報を知らない」と思わせておいて、実は知っている、というパターンもあるから、まったくの無駄とは言えないけれど。

ライナー

え、そんなことがあるのか?

シンディ

問題によってはありえるよ。なにしろこれは「水平思考」を使ったゲームだからね。出題者によっては、「登場人物が情報を知らない」と思いこませるような問題を作っているかもしれない。

ライナー

なるほどね。まずは基礎質問や、分かっている事柄を掘り下げたほうがよさそうだな。

シンディ

そうだね。しかし、あてもなく聞くのはあまりよくないと思うな。

ライナー

ん、どういうことだい?

シンディ

ライナー君は「基礎質問」や「分かっている事柄を掘り下げる」とは言っているけれど、まずどのような質問をするつもりなのだい?

ライナー

そうだな……まずはどんな本を探しているか、そして後は図書館の情報だな。

シンディ

なるほど、確かにそうやっていろいろな情報を集めていくものだけれど……

シンディ

それらの情報って、はたして登場人物はすべて知っているのだろうか?

ライナー

え?

シンディ

さっきも言った通り、登場人物が知らなさそうな情報を、最初から質問するのは効率が良いとは言えない。
もっとも、まったくの無駄というわけではないのだけれど、後から分かってくる事実もあるだろうしね。

ライナー

ふむ……たしかに。しかし、登場人物が何を知っているかなんて、知りようがないじゃないのか?

シンディ

確かに、エスパーではないから、登場人物が何を知っているのかは分からないね。
もっとも、エスパーだと言われている人もいるようだけど。

ライナー

え、いるの?

シンディ

SさんとかPさんとか、どう考えてもこの問題文から一発で正解を出すのは無理だろうっていう問題を、あっさりスナイプする人もいるから、何とも言えないね。

ライナー

あの人たちは特別だろう。問題文から何かが見えているに違いない。

シンディ

まあ、それは冗談として。

シンディ

何をしていいのかわからない時は、まず「登場人物が置かれている状況の把握」からするといいかな。

ライナー

状況の把握?

シンディ

そう。
例えば、登場人物の職業や年齢、家族構成や今いる場所、目的などをはっきりさせるのさ。

シンディ

そうやって「今登場人物はどういう状態なのか」「今からどうしたいのか」を把握することで、次の質問の糸口がつかめるかもしれないよ。

ライナー

なるほど。ではとりあえずカメコさんがどんな人か聞いてみるか。

ライナー

シンディは、大人ですか?

シンディ

……

ライナー

……あの、えっと……
聞く時は「カメコさん」の方がよかったのかな?

シンディ

いや、それもあるのだけれど……

シンディ

「亀夫君問題」は、YESかNOかで答えられる質問以外もできるのだよ?
わざわざ大人か子供か聞くよりも、直接年齢を聞いた方が早いのではないかね?

ライナー

あ、そうだったね。
では気を取り直して……

ライナー

カメコさん、あなたの年齢を教えてください。

カメコ

レディに歳を聞くなんて失礼ね。まあいいわ。私は17歳。ついでに言うと華の女子高生よ

ライナー

な、なんなんだい? さっきの人は?
しかも、なんか不機嫌になっている気が……

シンディ

この問題に登場するカメコだよ。
言っただろう、代役を立てるって。
こっちの方が、読者には分かりやすいじゃないか。

ライナー

いや、まあ、そうだけど、突然出てきたからびっくりしたんだよ。

シンディ

なんだ、ライナー君のことだから、突然でてきたかわいい女の子に鼻の下でも伸ばすのかと思った。

ライナー

私のイメージって、一体……

シンディ

女にだらしない貧乏人?

ライナー

女にだらしなくないし貧乏じゃないよ!

シンディ

ん、いや、さっき思いついたから言ってみたんだけど。

ライナー

勝手に私のイメージを作らないでくれないか?

シンディ

イメージは大切だよ。
この問題でも、登場人物が知らない情報は答えられない以上、しっかり登場人物になりきらないといけないからね。

シンディ

他の問題と違って、「登場人物になりきる」というのが、この問題の醍醐味でもあるんだ。
ちゃんとなりきらないと、参加者も面白くないだろう?

ライナー

私はかえってやりづらく感じるのだが……

シンディ

まあいいじゃないか。
ライナー君も、一緒に本を探す春風ゴマメ星人になったつもりで、質問してくれればいいよ。

ライナー

何だよその春風ゴマメ星人って!

シンディ

まあ、何でもいいじゃないか。
今回はストリエで作った話だからね。カメコに別のグラフィックを使った方が、読者も分かりやすいだろう?

ライナー

はぁ……

シンディ

実際の問題では、ストリエみたいにビジュアルが出ないから、出題者が登場人物のセリフをまねて話を進めるんだけれどね。

ライナー

まあいいか。カメコさんがどんな人なのかも気になるけれど、まずは本について知る必要がありそうだな。

ライナー

カメコさん、本のタイトルを教えてくれませんか?

カメコ

「ラテシン国物語」というタイトルよ

ライナー

なるほど、つまりこのタイトルの本を探せばいいわけだから、後は図書館でその本を探せばいいのだな。

ライナー

では「ラテシン国物語」という本を探しに行きましょう。

カメコ

どこにあるか分からないわ

ライナー

え……?

シンディ

……あのね、ライナー君。言ったじゃないか。

シンディ

登場人物が知らないことは答えられないし、行動できない。
そもそも問題文に、「初めて来た」って書いてあるじゃないか。

シンディ

君は、初めて来た大きな図書館で、何も手がかりなくいきなり本を探すことができるのかい?

ライナー

あ……

シンディ

始まったばかりでこれでは、先が思いやられるね。

ライナー

ううむ……「登場人物が知っていることしか答えられない」というのは、結構厄介だな。

シンディ

まあ、だからこそ解き甲斐があるともいえるけれどね。

シンディ

登場人物が知っている情報をきちんと把握しておく。
これは、「亀夫君問題」の基本でもあるんだ。

ライナー

なるほど。意外と奥が深いんだな。

シンディ

まあそういうわけで、次回もいろいろと聞いてくれたまえ。

今回のおさらい
・まずは登場人物の置かれている状況を把握しよう。
・質問は、出来るだけ細かい情報が得られるように聞こう。
・登場人物が知らないことは答えられない。できるだけ、答えられそうな質問から始めよう。

登場人物が置かれた状況を把握する

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