スポットライトのようなまっすぐな光が、アイリーを照らす。
彼女の姿が、暗闇の中でひとり、浮かび上がる。わっ、と誰かが感動の声をあげた。きれい、と誰かが叫んでいる。
そこにいた女性は、とても背の高い、凛とした女性だった。
薄い水色のスーツに、所々とても目立つ紫色と黒色が配色され、強くたくましい印象を受ける。
髪飾りのような大きな装飾を頭につけていたが、それはどこか神聖でもだった。
手には、大きな二丁拳銃が握られている。
作戦は成功したようなので、俺はスイッチを静かにしまった。しかし、これほどまでとは。彼女が映像をまとっていると気がつく人はいないだろう、と俺は確信した。
凄いリアリティだ。どこからどうみても、映像の乱れが一切ない。質感も、影も、違和感ひとつない。
十分に彼女――アイリーを観客の目に焼き付けたところで、会場の電気がぽつぽつと点いた。なんだなんだと騒ぐ観客に向けて、アイリーは叫ぶ。