翌日は、夜の品評会までどうすごすものかと思っていたが、朝からずっと、ロジャーがいろいろと面倒を見てくれた。
王様なのに、なんだか悪い、とは思わないけれど、相変わらずいいやつだ。
品評会までどんちゃん騒ぎ、ということにはならない。品評会は毎年盛り上がるようだったけれど、それでも、今は戦争中、そして品評会は将来有望な戦士の選別会だ。
楽しんだ映画館だって、よく考えればガンアクション、つまり楽しめる訓練所だったのかもしれない。
こんなふうに落ち込んでしまう俺の気持ちを察したのか察してないのか、ロジャーはにこにこと明るいまま、いろんなところに連れていってくれた。
昼御飯を食べているときに、ロジャーが子どもに話しかけられていたのは印象的だった。
がんばって、と男の子三人に囲まれ、おうよと笑う彼は、本当に未来を担う王子のようでもあった。