タキ

ここだよ!

ミヤ

図書室……

ミヤ

タキ

この本の山……
しかも、べったり接着されてる。

タキ

しかもこれ、見ろよ。
なんか血みたいのでビックリマークが
書いてある。

ミヤ

ここにも……

タキ

こ、ここにもってなんだ?
他にもこんなのがあったのかよ?

ミヤ

赤い塗料……これは
血じゃないわね。色が違うもの。

ミヤ

屋上と理科室にもあったのよ。
あと……体育館にも。

タキ

なんなんだよこれ、キモ……
お前はこういうのを探せっつってたの?

ミヤ

そうよ。
こういうのが毎回あるの。
……あなたは今日だけだけどね。

タキ

はあ?最悪……
おちおち本も読んでらんねえな。

ミヤ

あら。
読書が好きなのね。

タキ

なんだよ悪いかよ。つか、
元々こっちのミヤが勧めてきたんだよ!

ミヤ

そうだったの。私も読書は好きよ。
普段は何を読むの?

タキ

うっ……わ、笑うなよ?

ミヤ

笑わないわよ。

タキ

あ……有栖川有栖。

ミヤ

っ、

タキ

な、なんだよその目は!
いいだろうが、ひとが何読んだって!

ミヤ

いえ……

ミヤ

ふふ。
やっぱりあなたは滝沢 多岐ね。

タキ

何言ってんだお前……

ミヤ

まあまあ。
じゃ、この本については
メモを取っておきましょう。

タキ

あ?写メっといて
あとで見りゃいいじゃん。

ミヤ

……

タキ

なんだよ。
携帯持ってきてないのか?

ミヤ

え、ええ……
タキちゃんはいつも持ってきていたけど、
その発想は無いみたいだったわね。

タキ

はああ?
お前らほんと真面目だったんだな……
手書きとかだりいだけじゃねえか。

ミヤ

あのね……
学校は勉強しに来るところなのよ?
それに……写真が残っていたりしたら
回収されるかもしれないじゃない。

タキ

じゃ、あとで消しゃいいだけだろ?
だからカタブツだってんだよ。

ミヤ

まったく……図太いわね。

タキ

お前のガッチガチの脳みそと
どっちが強度あるか測ってみっか?

ミヤ

しません。

ミヤ

……少し、この謎に興味を持てた?
改めて、探し集めるのを手伝って欲しい
のだけど……

タキ

ああ、いいぜ。
ミステリ好きだし、解きがいがある。
じゃ、手分けして探すか?

ミヤ

ありがとう。
あなたが写真を撮ってくれるなら
一緒に回るより効率が良さそうだし、
そうしましょうか。

タキ

おし、じゃあ決まりだな!
どっちが多く探せるか競争しようぜ!

ミヤ

ちょ、ちょっと……!

ミヤ

……ふふ。

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