おとぎの国へ。
おとぎの国へ。
02:小さな出会い
ようこそ、そういった妖精は楽しそうにぼくの周りをくるくると飛んだあと目の前に止まりました。
うーん、夢を見てるのかな・・・?
夢かと思って2,3回頬をつねってみましたが、その痛さは本物でした。
…痛い。
クスクス、何してるの?
夢かなって…。
夢じゃないよ!たまに君みたいに迷ってこっちの国に来ちゃうことがあるんだ!
夢じゃないと聞いてクリフはやっぱりと思いました。
こっちの国?
うん!おとぎの国!
それで、ここは青虫草原だよ。
色んなの世界をつなぐ場所なんだよ。
あおむし・・・じゃあ、ぼくも家に帰れるのかな?
変な名前だなと思いつつ妖精に尋ねました。
そうすると妖精は考え込みました。
うーん、私には帰り方はわからないけど、ルドルフおじいちゃんなら知ってるかも!
ルドルフおじいさん?
物知りでなんでも教えてくれるんだ!
あの森にいるから一緒にいってみようよ!
リノアは奥の森を指でさして言いました。
その方向を見てみると深い森が広がっていました。
うん!
帰れるかもという期待をのせて、ぼくは森へ向かって歩き始めました。
あっ君の名前はなんていうの?
私はリノアっていうの。
えっと、ぼくはクリフォード。
でも皆にはクリフって呼ばれてるよ。
じゃあクリフって呼ぶね!
クリフ、よろしくねっ!
うん、よろしく!
そういえば、クリフはどうやってここに来たの?
えっとね、おじいちゃんの家でこの懐中時計を見つけて触ったら急に風が吹いたんだ。
風が強かったから目をつむってら、いつの間にか草原いて…ぼく、びっくりしちゃった。
ポケットから取り出した懐中時計を見せながら話しました。
話しながらクリフはある事に気づきました。
あれ…?
どうしたの?
ここに妖精がいたと思うんだけどいなくなってて。
小さな鏡の前にいた妖精のモチーフが消えていました。
なんでだろうね?
んー、ぼくにもわからないや。
考えても考えても答えは出ませんでした。
それにしてもキラキラしてて綺麗だね~。
そうだ!これあげるよ。
リノアはごそごそと小さなカバンから紐のようなものを取り出しました。
革紐?
これを見てこっちに来ちゃったなら大切なものだと思うから、首にかけてたら無くさないかなって!
ありがとうとリノアにお礼を言い、懐中時計に革紐をつけて首にかけました。
へへへっ似合うかな。
とーってもよく似合ってる!
そうこうしていると森の入口にたどり着きました。
話に聞くルドルフおじいさんはどんな人なんだろうと思い浮かべながら歩みを進めていきました。
続