笹塚先生

さて、まずは天智天皇からな

トオル

……

笹塚先生

ん? どうした?

トオル

なん、て 読む、の?

笹塚先生

……言いたいことはいろいろあるが、

といって先生は足を組み直しながら言ったのだった。

笹塚先生

今は言わないでおくわ

トオル

ううっ

笹塚先生

はい。読みは『てんじてんのう』だぞー
つか、お前ちょいちょい悪態つくよね

トオル

へー。
まさか。気のせいじゃないすか?

笹塚先生

なにが『へー』だか

トオル

……あの先生

笹塚先生

なんだよ

トオル

先生は生物教師なのに
なんで『小倉百人一首』を?

解説しようだなんて無謀なことをしようとなさっていらっしゃるのかしらん?

すると、不調法な生物教師はこんなことを言う。

笹塚先生

だからだよ

トオル

…はい?

笹塚先生

生物教師だから!

トオル

だから??

笹塚先生

専門外のことを知らない同士で面白おかしく学ぼうかと

トオル

はあ

笹塚先生

その方が気負わずに楽しめるだろ?

トオル

楽しめる?? 勉強を???

笹塚先生

学びとは本来
そんなもんなんじゃないか、
と先生は思うわけ

トオル

いまいちわからん
ま、いっか

トオル

じゃ一首目は?

笹塚先生

おし、いくぞ!

  秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ

    わが衣手は 露にぬれつつ

トオル

…なんて?

笹塚先生

お前…やっぱバカじゃねぇか

トオル

先生ほどではない

笹塚先生

じゃあなんて読むか
言ってみろよ!!

トオル

え~っとぉ

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