といって先生は足を組み直しながら言ったのだった。
さて、まずは天智天皇からな
……
ん? どうした?
なん、て 読む、の?
……言いたいことはいろいろあるが、
といって先生は足を組み直しながら言ったのだった。
今は言わないでおくわ
ううっ
はい。読みは『てんじてんのう』だぞー
つか、お前ちょいちょい悪態つくよね
へー。
まさか。気のせいじゃないすか?
なにが『へー』だか
……あの先生
なんだよ
先生は生物教師なのに
なんで『小倉百人一首』を?
解説しようだなんて無謀なことをしようとなさっていらっしゃるのかしらん?
すると、不調法な生物教師はこんなことを言う。
だからだよ
…はい?
生物教師だから!
だから??
専門外のことを知らない同士で面白おかしく学ぼうかと
はあ
その方が気負わずに楽しめるだろ?
楽しめる?? 勉強を???
学びとは本来
そんなもんなんじゃないか、
と先生は思うわけ
いまいちわからん
ま、いっか
じゃ一首目は?
おし、いくぞ!
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
…なんて?
お前…やっぱバカじゃねぇか
先生ほどではない
じゃあなんて読むか
言ってみろよ!!
え~っとぉ