抑えられないこのパッション!! ハンバーグ回を……俺は書くッ!(気が向いたらちゃんとまとめる)
 主人公夏休み死亡プロットだけど変わったり変わらなかったりしつつ。

舞台設定:2018年8月1日(水曜日)
場所  :フライングガーデン。名前まんま不味いから後で変更予定。変更した。改名前のノザワハッピーフーズからハッピーフーズガーデンで。
爆弾はんばーーぐだああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

登場人物:
松園聖(まつぞのひじり)
 鹿苑(ろくえん)高校2年生で次期生徒会長有力候補。華陵(かりょう)荘というぼろアパート在住。主人公からの呼び名は聖(せい)ちゃん。妹からはひじ姉、あるいはひじき。
松園光(まつぞのひかり)
 聖の妹。小学三年生。後の未来で主人公のクラスの人気者間藤と結婚する運命にある。嫌いな食べ物はひじき。
ぼく
 仕事帰りにハンバーグ決めてるなんかぼっちの客。



視点:松園聖

 七月は終わりを告げ、八月。夏の暑さが煩わしく感じる今日この頃。蝉の鳴き声がさらに暑さをまくしたてる。空は青く晴れ渡り、絶好のお出かけ日和。熱中症に気を付け、帽子を被り暑さ対策もさて万全。
 |私《わたくし》は財布の中身を確認した後、玄関で待つ妹の下へ向かいます。

「遅いぞひじ|姉《ねえ》! お化粧でもしていたのか!」
「光ちゃんごめんなさいね。待たせてしまって」
「本当だぞ!」

 ぷんぷんと怒った様子であるものの、苛立っている訳では無く、むしろこの後のことが楽しみで仕方がないと言った表情。それだけ今日のお出かけが楽しみだったのでしょう。
 
「ひじ姉、財布は持ったか!」
「はい、中身も確認してありますよ」

 これでお金が足りないなんてことになれば大変です。以前お出かけしようとした際に、家に財布を忘れてしまい危うくそのまま出かける所だったことがありますが、それが教訓となりました。今日の私は一味違います。

「よーし! それじゃあ行くぞー!」
「おー」

 腕を大きく振り上げて気合を入れる光ちゃんに続いて、私も外に出ます。|何分《なにぶん》古いアパートですから、あまり大きな声を出せば近所迷惑になってしまいます。ですので私は小さな声で返事をしましたが、光ちゃんはそれが少し不満そう。住んでいる皆さんに申し訳ないと思いつつも、寛容な皆さんはそんな元気な光ちゃんを好ましく思って頂いているようなので助かります。
 玄関を出てすぐに、隣の部屋に住む|大隅《おおすみ》さんと鉢合わせました。今年で齢七十になる老婦人ですが、まだまだ元気で五十代ほどに見えます。一人暮らしのようですが、毎日大家さんが家を訪ねてお話をしているようです。大家さんと仲が良いということもありますが、ご年配のお方ですので、部屋で倒れていないかの確認もあるのでしょう。

「あら二人とも、お出かけ?」
「そうだぞ! ひじ姉が美味しいもの奢ってくれるんだ!」
「こんにちはおば様。はい。ハッピーフーズガーデンの方へ行こうかと」

 フライングガーデンは北関東に展開するレストランで、牛100%のハンバーグが人気のお店です。その開発には苦難が多くあったそうで、視察と研究で数か月のうち、毎日何十キロもの肉の試作と試食を繰り返していたのだとか。命がけの開発の末に生まれたそうで、それから試行錯誤を繰り返し、今の味が出来たのだと聞き及びます。
 そんなハッピーフーズガーデンでは毎月第一と第三の水曜日には金券半額フェアを行っています。そして今日が、その金券半額フェアの日になります。光ちゃんの誕生日も今日ですので、そのお祝いも兼ねて偶には良い物を食べようと言うことになったのでした。
 光ちゃんは奢って貰うと言いましたが、私はバイトをしておらず、あくまでこれは父から渡されたお金。。父は私がバイトをすることを好ましく思っていないらしく、学業に励むように言ってきました。どうやら過去にバイトに明け暮れたせいで学業を疎かにしてしまったという自身の経験から来るものだったらしく、父がそう言うならとその言葉に甘えて学業にのみ専念しております。私は物覚えが悪いので、それを勉学に掛ける時間でカバーできるのはとても助かっております。本当に、父には感謝してもしきれません。そんな父は平日基本会社の寮の方に泊まっている為、光ちゃんのお誕生日を電話を通して祝うくらいしかできませんでした。

 徒歩で三、四十分ほど。距離は三キロほど歩きましたでしょうか。家からハッピーフーズガーデンまでは坂を上る必要がある為、そこでかなり疲れましたが、光ちゃんはまだまだ元気そうです。

「ひじ姉疲れたか!」
「ええ、少し」
「休憩するか?」
「大丈夫ですよ」

 本当は少し休みたいですが、お店まではもう少し。微笑みながら光ちゃんの後ろを追うように歩きます。
 自転車か自動車があればもっと早く着くのでしょうけど、残念ながら家には自転車もありません。健康には良いので、ちょっとした運動と思うことにしましょうか。
 帰りもまた同じ道を歩くと思うと、少しばかり辛いものがありますが、食べたものを歩いて消化するのだと考えましょう。ハンバーグですから、カロリーも総じて高いものになります。ですが、それを気にしていては美味しいものも楽しめません。今日はお腹のことは一旦おいて、食事を楽しましょう。

 お店についたのは十一時。十時半に開店なので、既にいくらかお客さんがいるようです。
 
「いらっしゃいませ。二名様でしょうか?」
「そうだぞ!」
「はい。妹と二人でお願いします」
「畏まりました。ただいま席へ案内します」

 店員さんに案内されて席へ。お店には三名ほどのお客さんがいました。
 うち一人は男の方で、顔が少し汚れています。ドリンクバーのジュースを飲みながら、時折腕を組んだりしていますね。仕事帰りなのかもしれません。お仕事お疲れ様です。
 残る二人の方は私たち同様に家族で来た方のようです。お父さんと娘さんですね。この店で一番人気かつ名物料理であるハンバーグを食べていました。
 私たちも席へ着き、光ちゃんがメニュー表を睨むように眺めます。とはいえ、今日頼むものは既に決まっていますので、他にどんな料理があるのか、興味があると言ったところでしょう。

「すみません」

 メニューの一番手前にはでかでかとお勧めであるキングセットの内容が記されています。お水を持ってきてくれた店員さんを呼び止めて、注文を行います。

「キングランチセットを二つ、ドリンクバーをセットで。それから」
「ひじ姉! ガーリックライスにしたい! 駄目か?」
「良いですよ。それでは妹の方のライスをガーリックライスで。私もライスでお願いします。それと、妹にバナナチョコパフェをお願いします」
「な……! 良いのか!」

 デザートも注文するとは思っていなかったのが、光ちゃんの目が輝きます。昨日の晩御飯を少なめにして、朝も軽くシリアルだけで終えた私ですが、流石に自分までデザートを食べるほどお腹に余裕はありませんでした。対し光ちゃんは私よりも食べ盛りなので、これくらいぺろりと平らげてしまうでしょう。
  パンかライスで選べるのですが、パンだとおかわり無料はないのと、やはりご飯派ですので、ライスを頼みました。。ガーリックライスにするとその分別料金がかかりますが、その後は同じくライスを何杯食べても良いので、ガーリックライスの後に白米で飽きの来ない食事が楽しめることでしょう。

「デザートはいつお作りしましょうか?」
「そうですね。ハンバーグを食べた後なので、ニ十分後くらいでお願いします」
「畏まりました」

 私はそんなに早く食べ終わりませんが、光ちゃんはそれくらい経つ頃には食べ終わってしまうでしょう。きっと光ちゃんがパフェを食べ終わる頃に、私が食べ終わってるかどうかくらいだと思います。
 
「ソースは和風ソースでよろしいですか?」
「はい。二人とも和風ソースでお願いします」
「それではメニューをお下げしますね」
「はい」

 店員さんは微笑むとメニュー表を回収し奥の方へ行きました。見れば別の席で研修をしている姿もあります。
 ソースは全部で三種類、他にはわさび風とオニオンソースがあるのですが、お店の定番である和風ソースでお願いしました。
 このお店のピークは大体十二時から十三時の間、十一時から十二時の間は比較的空いています。今日が水曜日ということもあるのでしょう。私たちは夏休みですが、父が仕事であるように、世間一般は平日です。休日でしたらこの時間帯でも人が多いことがあるかもしれませんね。
 お店ではテイクアウトも行っていますが、前途した通り父は平日会社の寮にいる為、その購入は行いませんでした。
 光ちゃんが席から立ち上がりジュースサーバーの方に向かおうとしたので声を掛けます。

「まずは手を洗いましょうか」
「おっ、そうだ! 忘れてたぞ!」

 光ちゃんと共にお手洗いに向かい、手を洗います。それから光地ちゃんはドリンクバーに向かいました。
 セットメニューなので、ライス、スープも無料です。スープバーを見れば今日はトマトと卵のスープとなっていました。カップは常に新しい物を使うよう注意書きがあり、おかわりをする毎にカップが積みあがっていく光景が浮かびます。
 ドリンクバーにはジュースの他に、コーヒー、それから紅茶もあります。紅茶はティーパックではなく茶葉なのが他のファミリーレストランとの大きな違いでしょうか。紅茶に使うカップは普通のマグカップと違い、透明色のカップになります。耐熱ガラスのカップで、茶こしと蓋が一体になったタイプです。

「オレンジジュースにするぞ! ひじ姉は?」
「私は野菜ジュースとミックスにしますね」

 朱色の野菜ジュースと、オレンジジュースを半々くらいで足して、さらにレモネードを足しミックスします。光ちゃんも真似をして同じようにジュースを混ぜていました。
 スープも取って席へ。ハンバーグもすぐにできる訳ではありません。まずはスープを前菜にお腹にご飯を食べる前の合図を送りましょう。
 見れば最初に一人で来ていた男性の方はやって来たハンバーグを食べつつ何度もジュースサーバーと席を行き来しています。ドリンクバーは飲み放題ですから、元を取ろうとしているのかもしれませんね。
 
 暫くしてハンバーグがやって来ました。俵型の丸く大きなハンバーグで光ちゃんが目を輝かせます。
 専用の紙で肉汁がはねないようにガードするように言われたので、その通りにしていると、店員さんが大きな肉の塊をを中央から半分に切ります。じゅうっという音と共に内側をステーキ皿の余熱で焼きます。お肉のお勧めはレアですが、事前に頼めばしっかりと焼いてくれるとメニュー表にありました。私と光ちゃんはレアでもいけるので、そのままでお願いしています。
 添え付けのコーンとブロッコリーも美味しそうですね。彩として飾られる野菜ですが、これがあるのと無いのとでは視覚的な情報も合わせて全く違う感じがするので不思議です。

「残ったソースはお好みで。油が跳ねるのが収まってからお食べください」

 和風ソースを上からかけ、残ったものはご自由にと言い去っていきます。デザートがまだですので、伝票はその際に貰えるそうです。

「それじゃあ光ちゃん、いただきましょう」
「おう! いただきますだぞ!」
「はい。いただきます」

 光ちゃんの方はガーリックライスです。ニンニクの食欲をそそる香りと乗せられたバターの香りがマッチして程よいハーモニーを奏でます。
 光ちゃんはそれを混ぜるとスプーンでゆっくり口に運びました。

「あつ、あつ」

 出来立てだから熱かったのでしょう。口の中でご飯を転がしつつ、ジュースを含んで熱さを軽減しています。
 二口目はゆっくりと、ふぅーふぅーと息を使い熱気を取ってから口に運びました。
 私もハンバーグをナイフで切り分け、フォークを使いそれを食べます。これはご飯が進みますね。
 
「美味いぞ!」
「それは良かったです」
「ひじ姉、美味いな!」
「はい」

 









 

13(ハンバーグ食った時に書いたやつ)

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