元カノ達が来る日の朝、当たり前ですが…
私は憂鬱でした。
ついにこの日がきてしまった、と。
主人が私に出かけてほしいということはわかっていたので
重い気持ちと重い体をなんとか立ち上げて出かける支度を始めました。
支度をしていると
主人が嬉しそうに(きっと本人はそんな風にしていない、と言うと思いますが…)
「出かけるの?」
「出かけるよ。」
主人は神妙な顔で
「申し訳ない。これが最初で最後だから…
どこに行くの?」
「わからない。行き先決まってないから。
もし途中で具合が悪くなったら、帰って来るから。」
「えっ!」
明らかに私に帰って来てほしくないことがバレバレです。
「じゃあさ〜家に上がってもらってもいいよね!」
「廊下と階段に掃除機かけてくれるならいいよ。」
「えー綺麗じゃん!」
「だから、掃除機かけてくれるならいいよΣ(-᷅_-᷄๑)」
「わかった。わかった。
掃除機かけるよ(≧∀≦)」
そして、超嬉しいそうに掃除機をかけていました。
まるで地に足がついていないように浮かれてご機嫌そのものでした。
私を駅まで送ることもなく。
私には行くあてがありました。
縁切り寺へ。
夜、帰宅した主人は案の上、ご機嫌でした。
元カノ達と行った場所。
お目当てのお店のひとつには行かなかったこと。
*そうだよね。
そのお店、お取り寄せもできるものね。
夕方からは3人でファミレスで話して
その後スーパーに寄って
2人の家の真ん中辺りの駅まで送って行ったこと。
結局、元カノ達は家には寄らなかったこと。
元カノたちも更年期のホットフラッシュがあって、しきりに汗を拭いていたこと。
スーパーで主人がサッとカートにカゴを乗せたら
元カノ達が
「男の人とスーパーに来るなんて久しぶり!」
「えっ?そう?
だって俺んちカミさん車運転できないから、いつも一緒に買い出しに行っているし。」
おそらく元カノの方が言ったんだと思います。
「羨ましい…」
元カノ達に逢って、嬉しそうな主人から
「なごみにおみやげ!
なごみ、これ好きだよね。」
差し出されたのは家の近所で買える食べ物。
「ありがとう…」
主人の私へのせめてもの気遣いだったのかもしれない。
だけど…
それ元カノ達が乗っていたうちの車の中に半日あったんだよね。
元カノ達と一緒の空間にあったんだよね。
いらない!触りたくもない!
ましてや自分の体に入れるなんて絶対に無理!!
ビニール手袋で掴んでゴミ箱の奥深くに捨てた。
そして、このとき既に
主人から元カノに
『今度は2人だけで逢おう!』
と口約束していたなんて…
思いもしなかった。