クマオの家の前に着いた。
この時の行動は今となっても不思議としか言いようがない。
まるで満月に導かれるように私はクマオの家の前まで来ていた。
空を見上げると、穏やかな光を放つ満月がこっちを見ていた。
今夜何かが起きる。ざわざわした気持ちでクマオのカーポートを確認した。
クマオの車はそこにあった。
もう一度電話をしてみた。しかし応答はない。
何かの予感がしてそのままそこに立っていた。
10分くらいたっただろうか。まるでそうなることを知っていたかのように、脇の道から
車のヘッドライトの灯かりが近づいてきた。
あれだ!まだ見ぬうちから何故かその車にクマオが乗っていると確信した。