いつかはそんな日が来る。
予想はしていた。年上女が醜く劣化し、若い男はそんな老婆を捨て、
若い女とまた新しい恋をする。
世間の常識。よくある話。誰も驚かないだろう。
そんな恋愛を自分は愚かにも何年間もしていたんだ。本当に愚かな私。
それは年上女が必ず直面する問題だ。
クマオはまだ40代に入ったばかり。まさに男盛りのクマオ。
これから結婚だってするかもしれない。子供だって作らなければならないだろう。
私はクマオと長くいっしょに居過ぎた。もう彼から離れなければならない。
悲しいけれど、「いいよ」とあっさり身を引こう。
「今までありがとう。本当に楽しかったよ。幸せになってね。お仕事頑張ってね」
笑顔でそう伝えよう。
それが年上女にできるせめてもの恩返し。感謝のしるしだ。
そんな覚悟の時が来た。