朝になり、留置場の扉が開かれて、留置場の中に入りました。

そこでまず身体検査。体の隅々まで調べられます。

口の中を開けて舌の裏まで調べられるし、おしりの穴の中まで広げられて調べられるんですよ。結構恥ずかしかったですね。

それから荷物検査。持ち物を検査され、部屋の中に入れられるものと警察側で預かってもらうものを区別されます。

それから中に入ります。

布団を自分で運んで、留置場の部屋の中に入れられます。


留置場はこんな感じ。新宿は大きいので部屋はもう少し広かったですけどね。

中には4人ほどの人間がいたのですが、まだ起きるには早い時間だったのでみんな寝てました。

「静かに入ってな。あと、朝は起きないといけないけど、寝ててもいいから。飯を食うなら起きないといけないけど、食わないなら寝てていいよ」

と言われて、疲れていたのでとりあえず朝は食べないで寝ることにしました。


それから何時間経ったでしょうか。夢も見ないでずっと寝ていました。

気がつくともうすっかり午後になっていました。

留置場の警官に「起きる?」と言われて、とりあえず起きることにしました。

まだ頭がボーッとしていましたが、とりあえず起きて布団を片付けます。


で、そこから部屋にいた人達に挨拶。

留置場のしきたりはその時点では分かっていなかったのですが、どうやら指名や犯した犯罪を言うのが習わしなんだそうです。

なので名前を名乗り、薬を使って捕まったと言いました。

強姦で捕まった20代の兄ちゃんやわカード詐欺で捕まった20代の中国人、傷害で捕まったヤクザの親分など、色々な人達がいました。

「留置場って色んな人がいるんだな…」としみじみ実感しましたね。

そこからすぐに刑事に呼ばれて取り調べです。

刑事は30代半ばくらいの人でした。割と優しそうな人で、色々話を聞いてくれました。

まずは身上経歴から。生まれてからどのように過ごしてきたのか、家族構成、学歴なんかを細かく聞かれましたね。

「薬物についてはどうなの?」と聞かれたのですが、その時は混乱していて、「自分でも上手く言えないんだけど、勝手に使われて…」と素直に答えました。

刑事もその辺は割と納得してくれたというか、詳しく話は聞いてくれました。

取り調べが終わり、次の日には検察に行って取り調べをすることになるから、とりあえず今日は休んでなと言われて留置場に戻されました。

留置場の中では色々な話を聞きました。

なんせ留置場なんか入るのは初めての経験だったので、右も左も分かりません。

ヤクザの親分はさすがその辺は詳しくて、色々教えてくれました。

差し入れや面会のこと、後は服は留置場からある程度貸してくれるとか、一日の過ごし方とか、その辺を詳しく教えてくれましたね。

初日は緊張していたので、なかなかみんなとも打ち解けられなかったのですが、とりあえずしばらくいることになるんだろうし、頑張って慣れようとは思いましたね。


食事は三食弁当です。でもこれ結構量が少ないので、自弁と言って、お金を出したらプラスで他に弁当が買えるんです。新宿は一食500円で追加可能でしたね。種類もいくつかあったかなぁ…。

他にもお菓子が買えたりもします。自分は買ったことなかったですけどね。

検察に行く時は一日がかりだし、刑事の調べがある時は取調室に出られますが、その他の時間はずっと留置場の部屋に居ないといけないので、割と暇です。

なので新しい人が入ってきたらちょっと嬉しいですね。何をしたのか聞けますから、話し相手になってくれるというか。


ま、そんな感じで自分も最初は元々いた人達に色々聞かれました。みんな退屈してたのでしょう。

と、緊張しっぱなしだったので、その日の夜も割と早めに寝ました。

「これからどうなるのか…」

そんな不安な気持ちは消えてなかったですけどね。

【一度目の逮捕の話】③留置場

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