数年前から発達障害を疑い、去年検査を受けた。
結果発達障害は認められなかったが臨床心理士からは「やや知能が低いです。」
と告げられた。

診察の際、医師に発達障害の結果はどうだったか尋ねたら「発達障害じゃないよ。」
と告げられた。
結果はペラ1に「苦手な事がたくさんあるが記憶力はやや良い。」と言った内容の事が書いてあった。

納得がいかなかった。
それからも仕事をする中でミスを頻発させたり、周囲が理解出来ることが理解できなかったりは続き、発達でないにしても何か問題がある、と思わずにいれなかった。

幸い今の職場は私を1年以上雇ってくれているが、今まで15年の間に転職した回数は10回を超え、うち10回近くが首を言い渡されての解雇だ。
今の職場が私に寛容とは言え、首の可能性はあるし、そもそも派遣なので就労期限に限りがある。

今迄は一般就労だったが次は障害者雇用で働きたいと望むようになった。
周囲に障害の理解が及べば冷遇される事も罵倒される事も、作った書類を投げ付けられる事もないだろうから。

動くなら今だと思った。今のうち自分の障害?を証明する手帳を取得しなければと思った。少しでも社会に適応できるようにならなければ。

WAISIIIを受けてから1年後にもう一度医師に尋ねた。
「私は発達障害ではないんですか?」と。答えはNOだった。
「では知能指数はいくつだったんですか?」と尋ねた。
「70だよ。」と言う答えだった。
仕事や日常生活に困っているからなんとかして欲しい。
それが望みだったがこの医師はクスリを出すのみで患者に寄り添う事が一切ない医師なのでそれは呑み込んだ。

IQ70。
それが水準からすればかなり低い数値で、ともすれば知的障害スレスレであることを帰宅後に知り、愕然とした。
自治体によってはIQ75を下回れば軽度知的障害に認定されるそうだ。
それを考えればIQ70がいかに低い数値か分かると思う。
IQ70から85は知的ボーダー、境界知能と呼ばれる。知的障害でも健常者でもないグレーな存在。
調べるにつれ知的ボーダーの厄介さに気づく。受けれる支援が全くないのだ。

愕然としたと同時に怒りも湧いた。
なぜ1年前にこれを言わなかったのか?
発達障害でないにしても私の普通でない理由はこれであることは確かだ。
それを黙っていたのは許せなかった。

同時に1年も自分の状態に危機感を抱かなかったあたりに知的障害らしさを感じて自分が嫌になった。
そしてそれが40年近く感じてきた生きづらさの原因なんだと腑に落ちた部分もあり複雑な気分だった。
それ以来、何かあるたび「自分は知的障害だから。」と落ち込むようになった。

それから1週間くらい経って再び病院を訪ねた。聞きたい事があったからだ。

それはIQ70で療育手帳及びそれに準ずる手帳を取得できるか、だった。

医師の答えは「無理。IQ69以下じゃないと無理。」だった。

それからしばらく泣いて過ごした。
もう生きれないじゃないかと。
なんの福祉も受けれない。
足りない頭で健常者として過ごさなければならない。
一体どうしたらいい。
もう死にたい。ずっとそう思っていた。

でもそれは絶望の入り口に過ぎないと知るのはもっと後になっての話だ。

境界知能はどう生きればいいのか①

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