遠距離恋愛を経て、大好きな彼と結婚し、念願の新婚生活が始まった。今まで離れていた彼と24時間一緒に過ごせるなんて、まるで夢のような生活だと思っていた。

付き合っていた頃、私たちは会う度にお互いの身体を求め合っていた。新婚生活が始まってからもそのリズムは変わらず、3日に1回はセックスをしていた。

しかし、そんな親密な時間は徐々に減っていった。週に1回、月に2、3回。
そして、ついには私自身が夫にこう言ってしまった。

「ごめん。今日はしたくない」

これまで、私は性欲が強い方で、セックスに対しても積極的だった。
にもかかわらず、夫と身体を求められても拒否してしまうようになってしまったのだ。

どういうわけか、夫に触れられるとくすぐったく感じてしまう。
敏感な場所に触れられても快感はなく、濡れない。
だから、挿入の際には痛みを感じ、セックスそのものが苦痛になってしまった。

それでも、夫への愛情は何も変わっていない。
セックスは減ってもキスは毎日のようにしていたし、隙あらばヘビの様に彼の身体に巻き付いて好きだと連呼する。しかし、セックスとなると、どうしても乗り気になれない。
そんな自分に対する不安が次第に増してきた。

「このままで妊活はできるのだろうか?」 「どうして濡れないんだろう。私の年齢のせい?」

そんな疑問ばかりが頭をよぎる。
まさか自分がこんな悩みを抱えるとは想像もしなかった。

そんな時、ふと目に入ったのは「女性用風俗」をテーマにした漫画だった。

『女性用風俗』、通称『女風』。

その名の通り、女性を対象にした風俗で、セラピストと呼ばれる男性がマッサージや性感マッサージを行い、女性の癒しを提供してくれるのだ。

実は、私は数年前に利用したことがあった。

当時は独身で彼氏もいなかったので、こんなことにお金と時間を費やすよりも将来結婚してくれる彼氏を作るべきだと思い、のめり込むことはなかった。利用回数は片手で数えられる程度。

当時は店舗数も少なく、顔を出さないセラピストばかりで、まだアンダーグラウンドな世界だったと思う。

それが今では、テレビで取り上げられることも増え、漫画やドラマにまでなっているそうだ。これが女性が社会進出した結果なのだろうか。

女風の漫画には、パートナーとのセックスに悩みを抱える女性たちが、女性用風俗を利用して問題を乗り越えた実体験が描かれていた。私と同じ様に夫とのセックスレスを解消するために利用した女性の体験記もあった。

それを読んだ私は、ふと考えた。

「今こそ、女風を使うべきなのかもしれない……」

01.そうだ、女風を利用しよう

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