「側室13人について説明してください。」
「どこからそれを聞いたのだ。」と動揺を必死に抑えた顔をして国王…いやバカ夫が聞いてきた。
「あなた様に言う必要がありますか?」
「…側室13人について話してやる。実を言うと私はずっと庶民の暮らしに興味があってだな。ついこの前、町の酒場に行ったのだがそこでの時間が楽しくてたまらなくなったのだ…酒が飲めることではなく、女に囲まれるのが。」
…はぁ?なんて口に出したらいけないけれど、さすがに引きますわ…周りのメイドたちもすごい顔色…
「お、女に囲まれたいだなんてはしたないとは思わなかったのですか!」
「思った時もあったが、私は国王だ。この国で私に物申すことができるのは一部の人間だけだ。」
国王というステータスをこんなことに使うなんて…私はなんのために嫁いできたのか。もちろん家のためだけれど、私は女王でありバカ夫の妻…
「断じて許しません。今すぐその13人を酒場に返してきてください。」
「なぜだ。側室は今までの国王も作っているではないか。それにこの国では夫をたてるというルールである。お前にこの前遊んでいいと言ったのだ、私も遊んでいいだろう!」
「何をおっしゃっているのか…不甲斐ない。明らかに側室をつくる理由がことなることが理解できないのですか!?この期に及んで国のルールを引っ張って来ないでください!」
ダメだわ。全然話が通じない…こうなったら私がこの国のルールを変えてあげましょう。国中の妻の不満がようやく分かって国王に感謝ですわ…
ー数日後ー
「…議会になぜお前がいる。」と私をみて国王が言った。
「もちろんこの国のルールを変えるためです。」
「国のルールでは議会は国王のみ参加する決まりだが?」
いや、あなたに頼んだところで…と思いつつ
「私の力で変えます。」とまわりくどすぎる返事をした。
ヒソヒソと議会に出席する者たちから噂されている。やはり男性ばかり…女性の権限というものを私が、女王が示さねばずっとこのまま…
ー「え〜では、議会を始めたいと思います。皆さん席にお着きください。」
「今回の議題は国のルール改訂についてです。」とすかさず手を挙げて言った。
「何を言っているのだ、ジュリア。今回の議題は新しい貿易国についてだ。」国王が困惑した顔で言う。もちろんそんなことは承知の上ですよ…
「それはもう私の方で決定致しました。外交は女王の役目ですから…」私の暴走っぷりに辺りがざわめく。上等よ、私がこの国の女性を救ってみせるわ…