無事にテストが終わった次の日。





その日は退院してから初の診察日でした。



朝イチで体重を測りました。



退院前に測ったのは

1月末が最後だと思いますが

私はその時の体重を思い出せません…





退院してからの指示として

病院と同じように1週間に1回

朝のトイレの後に

下着になって測ります。







まず退院した次の日に測りました。



34.7kgでした。



1週間後に測った時は



34.8kg。





たった100gしか増えませんでした。





それでも娘は

『増えてる…増えてる…増えてる…』と

朝からプチパニック状態でした。







プチパニックは

思い通りに行かなかったり

お店で食べたい物が

分からなくなった時にも

現れていたので

どう接するべきかは分かっていました。




しかし

この日の朝は違いました。



今まで見た事のない娘でした。





体重は35.5kg。



5日前より+700g。









数字が出た瞬間

聞いたことのない声で



『ギャー!!!!!!!!!!!!!!!』と言って



ベッドに潜り込み泣き叫び始めました。



あまりの豹変ぶりに

呆然としてしまいました。







同時に

これが拒食症なんだ…と

改めて

恐ろしいなと思いました。







けれど怯んではいられない。









『嫌だー怖いー!!』と

泣き叫ぶ娘を抱きしめて





顔を見ながら

『大丈夫!!』

『あなたが頑張ってるって事だから!!』と

私自身にも

言い聞かせるように声を掛けました。







私も泣いていました。







悔しくて。





拒食症のせいで

娘が苦しんでいる。

 



けれど私にも責任があるんだ…



私に甘える事が出来なかったから

娘は今苦しんでいるんだ…







悔しい。



苦しい。



悲しい。





そんな気持ちでグチャグチャでした。









けれど

私まで拒食症にやられたくない。







娘は

1時間以上泣き叫び続け



さらに1時間ほどベッドの中で

『怖い…嫌だ…怖い…嫌だ…』と

繰り返していました。









もう出発しないと

診察に間に合わない時間になっていました。









ベッドから出て来ない娘に

今日は私だけで行ってくるから。と

声を掛けました。





完全に連れて行けない様子だったので。







しかし娘は



『行く。』と言います。





朝ご飯食べてないし

支度も出来てないし

もう間に合わないから…と言いました。





すると

ムクッと起きてきて

着替えを始めました。



そして

『朝ご飯は車の中で食べるから。』と

菓子パンと野菜ジュースを手に取りました。







拒食症は

真面目な性格の人ほどなりやすいそうです。



娘は超真面目です。



あの状況から

診察に行くと決めたのは



『今日診察があるから』です。



『主治医の先生と会う約束』を

したからです。







予定通りに行かない事

約束を守れない事が

娘の中では許せなかったのです。





体重が増えた事は嫌だったのですが



さらに



自分の中で

決まっていた予定が狂って

約束を果たせないという事になるのが

許せなかったようです。











病院へ向かう車の中は



朝の事が嘘のように静かでした。

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