よくニュースなどで「行方不明者」という言葉を耳にしますね。この物語ではその中の一人について話ましょう。12月23日「なんだろうこのこの石?」下校中に見つけた赤く光る石。「温かい」手に取るとそれはもう寒さが消えるような温かさだった。「ポケットに入れてカイロ代わりにしよっと!」ポケットに入れると徐々に徐々に体が温まっていった。「今日のおやつは何かなー」坂を下りながら走った。すると大通りにでた。「温かいなー」家までまっすぐ歩いた。誰ともすれ違わずに。やがて自宅のある小道にはった。「あれ?もうこんな時間?」日が落ちて来たのだ。夕方だ。家まではまだ距離がある。「えっほえっほ」走って家に向かった。しかしどれだけ走っても家にはつかない。「道を間違えたのかな?」すると小道の奥からおじいさんが現れた。「どうしんたんだい?ここは子供の来るところじゃないよ。」「あのねあのね道に迷ったの!」「そうかい、そうかい、案内してあげるよ。」「ありがとう、おじいさん!」おじいさんが歩き出した方向へ足を進めた。今まで誰もすれ違わなかったのに、おじいさんと歩くと、たくさんの人が歩いて見える。さぁついたぞ。「ありがとう!」「良いんじゃ」するとおじいさんはまたどこかへ行ってしまいました。「ついたぞ!」やっと家に着くと意気よい良く玄関のドアを開けた。「ただいまー」「あなた!!!」お母さんの声がリビングから聞こえてきた。泣いてるように聞こえる。リビングに行くと、お母さんが泣きながら「あの子をどうか探してください」と言ってた。私には理解できなかった。何か無くしたのかなって思った。ランドセルを自分の部屋に置いておやつを食べようとリビングに向かったときだった。仕事のはずのお父さんが帰ってきた。珍しいな。今日は仕事が早く終わったんだ。と思った。「おかえり!」私は元気よく挨拶をした。だけど無視されてしまった。とても残念だ。お父さんはカバンを玄関に投げ捨てると慌てた様子でリビングに向かった。私もリビングに向う。「ねぇ何があったの?」私の言葉に両親は振り向いてくれない。それから何ヶ月たっただろうか。未だに両親は口を聞いてくれない。ずっとリビングの椅子に座っている。するとお母さんがポツリと吐いた。「紗綾がいなくなるなんて、」そして4年後紗綾は海上からドラム缶に入った紗綾が発見されたという。死亡推定時刻は12月21日。紗綾が家に行く2日前だ。そして今度は紗綾が道を案内する番だ。

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