初々しいデートに初々しい告白。というより奇妙なデートに奇妙な告白。
してからおよそ五年という月日が経った。

僕と彼女は結婚した。
僕は彼女と不思議な恋を五年し続けた。
そしてこれからもし続けることを誓った。

でもまだまだ彼女には分からないことがある。
寝言はラップだし
通勤は一輪車だし
風船持ち歩いてるし
二の腕ごついし
料理めっちゃうまいし
可愛いし
可愛いって言ったら照れるし
もう一回可愛いって言ったら殴るし
急にけん玉始めるし

一緒にいればいるほど謎が増えていくばかり。

でも本当にこの人と出会えて良かったし
この人を好きになって良かった。

だって心の底から人生を楽しんでいるだもん。
こっちまで影響受けてこっちまで楽しくなってくる。

彼女と出会うまえ
どうせいつか死ぬなら何やっても無駄
何てことを考え、生きる気力を失っていた。

でも彼女は違った。
それに彼女は僕に直接言ってきた。

どうせいつか死ぬなら、
やりたいことやるだけやって
好きなこと好きなだけやって
自分本位にわがままに生きて
最期は笑って死んでやる。

なんてことを。
まぁ直接と言っても寝言ですが。

でもこの言葉に救われたしこの言葉で人生が変わった。

「どうせいつか死ぬ」

誰もが知ってるこの事実。
でもどこか忘れてしまってるところもまた事実。
だから思い出してほしい。

誰に嫌われてもいい、どうせいつか死ぬんだから
孤独に見舞われてもいい、どうせいつか死ぬんだから

白い目で見られようと変人と呼ばれようと、ありのままの自分をさらけ出したらいい、どうせいつか死ぬんだから。

人間少々ヤバくなるほうが人生楽しくなる。
彼女を見て、彼女以外を見て、僕はそう思った。

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