ドドーン!(これは効果音です)
今私は学校から帰りましたが、家の裏に勝手口で急に声をかけられた奴と睨み合っています。
『やだよ、そんなのめんどくさい』
『一大事なの?お願い』
目の前に座っているのは地域猫の・・・名前は知りません。
『ところでさあ、あなた名前なんて言うの?』
『知らない』
『じゃあ話するのに不便だから、えっと・・みけっちでいい?』
『なんでも良いわよ』
猫なのにため息ついて渋々了承したみたい。
『私の名前は聞かないの?』
『どうでもいい。早く探すの手伝って』
私、加納友美・・中学2年生。桜女学院に通っています。
私は動物と話が出来ます。
でも基本的に私からは話しかけません。動物と話しするのはあまり好きじゃないんです。部屋で静かにゲームしたり本読んだりが好きなんです。
もちろん人間も同じです。
『所でなんで私が話できるの知ってるの?』
『そんなのどうでもいいじゃない!で、手伝ってくれるの?』
(私便利屋じゃないんだけどなあ・・・・一応心療内科医自称してるんだけど。動物のね。)
心療内科とは要するに心のお医者さんです。
私の母は産婦人科医をです。自宅兼病院で働いています。
父は外科医ですが、一緒に手伝っています。
兄と弟がいますが、出番はありませんので紹介は省略させて頂きます。
『わかったよ・・。とにかく、煮干が無くなってそれからどうしたの?みけっち?』
『そりゃ必死に探したわよ。でも見つからないの。だからあなたにお願いしてるの』
『・・・・・・』
(私暇じゃないんだけどなあ・・・)
『あのさ・・・それって絶対他の動物に食べられてるよね?見つけるの無理じゃない?』
『あの隠し場所は絶対見つからないの!だからそれはありえない』
『じゃあ、とりあえずその隠し場所に案内してよ。他の足跡とかないか見てあげるから』
『なんであなたに私の秘密の隠し場所を教えなきゃいけないのよ!いやよ』
『・・・・・・』
(ちょっと・・・・なにこの猫?・・本当にめんどくさい・・)
『チッ・・ハー(舌打ちからのため息)、じゃあここじゃなんだから私の部屋に来て。はたから見たら、ニャーニャーずっと泣いているだけなんだから。私も猫相手に話ししてる頭のおかしい人みたいに思われるのやだから』
『いやよ!知らない家に上がるなんて!捕まえようって言うんじゃないでしょうね?』
『・・・・・・』
(ほんと、飼われてない動物って警戒心強くてめんどくさい・・・特に猫は・・)
『わかった。じゃあこっち来て』
みけっちを連れて庭の方に行きました。庭なら壁に囲まれているから人目にはつかない。
そこにはベンチがあるので私も座って話が出来る。
『本当に捕まえない?』
『・・・・あのね、一応あなたはこの辺の住人達の地域猫なの。だから勝手に捕まえたりしない』
『なに地域猫って?』
(え?そこから説明しなきゃ駄目なの?マジ無理・・本当めんどくさい猫・・・私この後、見たい番組あるのに本当に迷惑だよ・・・・)
人の予定を全く無視して自分の物欲のみを押し付けてくる、とっても思いやりがあるみけっち。
私はそんなみけっちに地域猫と言う物を説明しておきました。