『たまには一息ズル休み』
『たまには一息ズル休み』
良く晴れたその日、私は初めてズルをした。
はは、やっちゃった・・・
「魔が差す」ってのは
こういう事を言うのだろう。
理由なんて特にない。
少しばかり天気が良くて
学校に行くのが勿体ないって
思っちゃっただけ。
だからつい、いつもなら
降りる電車に乗って
人もまばらな川沿いの公園
なんかに居たりする。
でも、繁華街とかじゃないのが
私らしいというかなんというか
自分で言うのもなんではあるが
特に不良という訳でも
優等生という訳でもない。
偶に天然入ってる、とかは
言われるけどさ
思っているけど
さすがに声には出さない。
自覚してるからって
言葉にする事も無いだろう。
誰に聞かれるかも、分かんないんだし。
そんな事を思いながら
ふと数分。
川沿いの、ひんやりとした
心地好い空気に当たり
さて、どうしよう
目的なんてものが無い事を思い出す。
我ながら、なんたるノープラン。
でも、しょうがない。
行き当たりばったりその日の気分
今日はそんな気持ちなのだ。
偶には、そんな日があっても良いと思う。
そうと決まれば
レッツらゴー♪
探検兼ねて、お散歩開始。
結構、人居るんだ
歩きながら見渡せば
ぽつりぽつりと人の影。
犬に連れられ歩くおじいさん
お母さんと手を繋ぐ小さな子
ベンチでお休みサラリーマン
いろんな人が、それぞれ過ごす。
静かでのんびり
公園ライフ。
うん。
悪くないかも
こういう空気は、嫌いじゃない。
時間の浪費?
大いに結構。
だって無駄遣いは、楽しいものだから。
後でツケを払うとしても
踊る心は止まらない。
時間の無駄遣いを楽しもう。
弾む心の赴くままに
私はもっと周囲を巡る――
そうしようと、した時だった。
榊・・・
・・・さん?
??
私は彼女に、呼び掛けられた――
――続く?