彼女の依頼とは、以前に「モウレンとカイネ」という
名の双子魔術師が使っていた研究所から彼らの魔術書
『モウレンアンドカイネズ・フェイスフル・ハウンド』
を持ち帰ってきてほしい、というものだった
それでは、今回のセッションの導入から始めますね。
はーい。
君たちは現在、首都ルキスラの酒場にて、依頼主との待ち合わせをしている最中です。
卓につき世間話をする君たちの会話が一段落したとき、薄汚れた襤褸を深く頭まで被った、小柄な少女が声をかけてきました。
彼女は自らの名が「マリーカ」であること、自分が今回の依頼主であることを君たちに告げます。
マリーカちゃんかー。でもなんでそんな恰好?
ためらいもなく聞くなあ……
マリーカは自身の恰好について恥ずかしがった後、顔をそむけてつぶやきます。
彼女は魔術師ギルドのソーサラーであり、今回の依頼もそれ関連のようです。
実は、持ってるお金は全額研究費に回しちゃって……
あ、でも大丈夫!
依頼の報酬はちゃんと用意できるから!
同じ魔術師なのでちょっとだけ親しみを覚える
とりあえず話を聞こうか
彼女の依頼とは、以前に「モウレンとカイネ」という
名の双子魔術師が使っていた研究所から彼らの魔術書
『モウレンアンドカイネズ・フェイスフル・ハウンド』
を持ち帰ってきてほしい、というものだった
な、長いな……
えーと、モウレンとカイネのフル顔面な犬?
忠実な猟犬、だね……
フル顔面って、人面犬か何かか
この依頼の報酬は1人500ガメルで、
また他にも資料を持ち帰ることができればそれも買い取りたいと彼女は言います。
よし、とりあえず受けよう!
金もないしな
では、マリーカは君たちがこの依頼を承諾したことを確認すると、
君たちのひとりに館の詳細な位置を記した地図を手渡します。
そして、彼女は両手で握りこぶしを作り
みんな、頑張ってね!
と告げます。
頑張るぞー!
よっしゃー!
(掲げられた拳に対して右拳で軽く小突く)
依頼を承諾したラフィーナたちは、簡単な買い物を済ませ魔術師の館へと向かう。
道中に危険はなく、半日ほどで目的地の館に到達した。
館は深い森の木々に隠れるようにして、ひっそりと佇んでいます。
古い建築様式の多重階層構造で、二階の窓には鉄製のルーバーがはめ込まれており、
一切の光を遮断するような構造となっているようです。
なんか、研究所にしてはずいぶん物々しい造りだな
うーん。危険な生物が飼われてたりとかするのかな。魔術師だし(偏見)
館の大扉は施錠されておらず、君たちが少々力をかけただけで容易に開きますよ。
とりあえず、中へ入るしかないな
……ちょっとわくわくしている
大扉を開き、館の内部に入った君たちの鼻腔に饐えたカビの臭いが届きます。
床を見ると、往事には豪華であったろう古びて毛艶を失った絨毯が敷かれており、
天井からは豪奢な、しかし老朽化の激しいシャンデリアがかかっています。
埃っぽいー……
まさか落ちてきたりしねえだろうな、あのシャンデリア……
正面には二階へと続く階段が伸び、フロアの左右には木製の簡素な扉が構えています。
また、正面階段を上った先にはずらりと並んだ絵画が見えます。
どうやらここは館のエントランスのようです。
進めるのは左右の扉と正面階段か。
そして、君たちが館の内部に足を踏み入れると同時、フロアの奥に子鬼の群れを発見します。
子鬼らは何やら怯えた様子で、君たちを見つけると一目散に逃げ出し、
右往左往した後に君たちの横をすり抜けて外へと飛び出していってしまいます。
魔物が、逃げ出す……?
はい。逃げた魔物たちについて魔物知識判定で調べることができますよ
まあ、小鬼といえばあいつだろうが……
2d6 = [5,4] = 9
お、それでは見抜けますね。
皆さんお察しの通り『ゴブリン』です。
そして、彼らが逃げ出した場所には一匹のゴブリンの死体が残されています。
これを調べることはできるのか?
はい。冒険者レベルと知力を基準値として行為判定してみて下さい。
これは今後、この館のあらゆるものを調べるときも同様です。
一応、手を合わせてから死体を漁る。
2d6 = [4,4] = 8
意外と信心深いんだな
ワーグナーが死体をよく見てみると、ゴブリンの背に弾痕を見つけることができた。
傷口はまだ新しく、そこには銀製の銃弾がめり込んでいたのだ。
銀の弾丸とは高級品だな。まだ使えるのか?
持ち出せるけど使えはしないですね。
売れば100ガメルくらいの価値にはなるかもしれません
じゃあとりあえず所持はしておこうかな。
胸ポケットに入れておけば銃弾を防いでくれるかもしれないぜ
銃弾が銃弾を……?
他にも、この部屋にあるものは同じ方法で調べられますよ。
じゃあまずシャンデリアを調べよう。万が一落ちてきたりしたら危険だからな。
2d6 = [4,1] = 5
酷く老朽化したシャンデリアです。
軽い衝撃を与えただけで、容易く落ちてきてしまうでしょう。
よく見ると、シャンデリアは銀で作られていることが分かります。
なんだか銀ばかりだな、この舘
あとは左右の扉と正面階段ですね。
じゃあ先に正面階段から。
2d6 = [1,2] = 3
了解です。
階段は、これに対して特に危険などは感じられません。……上ってみます?
じゃあ上ろうか
とりあえず扉も調べてみていい?
頼むぜー
無視か(笑)
では扉→上るの順に処理しますね。
じゃあ右の扉から。
この先なんだろな!
2d6 = [6,4] = 10
オーク材で作られた何の遜色もない扉です。罠や鍵の掛かっている様子もありません。
左の扉も続けてするよー。
えいやさー
2d6 = [1,2] = 3
乱高下したな。右で集中力が切れたか(笑)
右と左のテンション落差がひどい。
たぶん右になんかあるんだよ(震え声)。
こちらも同じ材質の扉です。罠や鍵の掛かっている様子もありません。
そうして調べている間にウィルが正面階段を上りますよ。
おもむろに無言で進み出でて扉を開けます。
ウィル無視しないで!(笑)
みんな自由すぎる(笑)。
……まあ俺は一人でいいし
二階部分には壁に五枚の絵画がかけられています。絵画は右から順に、
『不気味な人形が並んだ絵』
『貧相な格好をした少女の絵』
『牙を剥き出しにした三頭の大型犬の絵』
『単眼の抽象画』
『巨大な蜘蛛の絵』
と並んでいます。それ以外に通路や扉は見当たりません。
……すごい
気持ち悪い絵ばっかだな
あんまり価値のあるような絵には見えないねー
この部屋で見えてるものから得られる情報はこれくらいですね。どうしますか?
……部屋を去る?
何もなさそうなら他のとこ行こうかー
右か左の扉だな
探索という選択肢もあるだろ?
探索判定もできますよ。ここは屋内なので、スカウトと知力で判定ですね。
知力なら結構高い……。
じゃあよろしく!
なんか、でも、良い部屋……
2d6 = [5,4] = 9
ナロードはエントランスの床に、所々うっすらと残る足跡を発見します。
それらは明らかに人間の靴痕で、しかも二種類以上の異なる跡が残っていた。
あ、靴痕……
もしかして、他に誰か来てるのかも
マジかよ、敵か?
掃除したい……
さて、どうしましょう?
どちらかの扉の向こうに居るかもしれないな
……少なくとも、複数人……
その足跡がどっちに続いているかってのは分かるのか?
足跡はその辺で途切れていますね。
悩んでいても仕方ないし、右の扉から開けてみます!
はい。では、扉の先には通路が伸びており、ちょうどトの字のような形に、直線と右折でできています。
どちらの通路の終端にも扉があり、それらはまだ閉まっている状態です。
通路は暗く、灯のともった蝋燭の明かりだけが通路にゆらゆらと揺れています。
……分かれ道
ん? それだとおかしくねえか?
え、なに?
右の扉から入ったのに、更に廊下が右に延びてるのか?
確かに。この構造だと館の前面部に突き抜ける形になるな。
(ニヤニヤ)
あ、これは何かあるぞ(笑)
……【センス・マジック】、してみる?
何か分かるかも……
そっか! マリーカちゃんがこの館は魔術師の研究所だって言ってたし
では行使判定して下さい。
……ちょっとドキドキ
2d6 = [5,4] = 9
……行使、成功したよ。
では、この廊下とエントランスを繋ぐ扉に何らかの魔力を感知できます。
その名称や効果は分かりませんが、相当に高いレベルの魔法であることは確かなようです。
そんな高レベルの魔法なら、
【ディスペル・マジック】は無理そうだな。
たぶん、空間移動の魔法とかじゃないかな……。高位の真語魔法に、そんな魔法があったはず。
転移魔法のせいで扉と廊下の位置が一致してないってことか。
この廊下自体は元々、館の二階や三階の廊下だって可能性もある。
なるほど、つまりはど○でもドアか!
せめてワープポータルとかにしとこうよ(汗)。
さて、どうします?
けど現状は進むしかないよな。
じゃあ右折したところの廊下から調べよう。
よろしくー
[5,5] = 10
では、こちらもオーク材で作られた何の遜色もない扉です。
罠や鍵の掛かっている様子もありません。
じゃあ続けて奥の扉も調べる。
はい、では通路奥の扉を調べようとするなら、全員で危険感知判定を行って下さい。
全員で!?
嫌な予感……。
2d6 = [5,4] = 9
2d6 = [3,2] = 5
2d6 = [2,5] = 7
2d6 = [4,6] = 10
高い!
じゃあラフィーナが最高値だな。
成功したので、ラフィーナは扉の奥から微かに漏れる声を耳にします。
どうやらこの先の部屋で誰かが話しているようです。
声、漏れてる……
やばくね?
だけどよお、オレたち天下のウィディンズ盗掘団様が、何が悲しくてインテリ野郎の家捜しなんか……
ぼやくな。これも稼業のうちさ。ボスの話じゃ、ここの家主の本は軒並み高く流せるらしいんだからよ
どうする? 依頼品が取られたらやだから私は突撃したいけど(ひそひそ)
良いんじゃね?(ひそひそ)
数では、勝ってるね……
じゃあ扉を蹴破ります!
ちょっと待て。
もし先ほどと同じく扉に転移魔法が仕込まれているなら、ここで壊してしまうのはまずいんじゃないか?
あー、……確かに
【センス・マジック】は……
行使には発声が必要なので、使うと部屋の男たちにばれる可能性はありますね。
……こわい
なら普通に扉開けるしかないか。
四人で扉ふっ飛ばしたらむしろダメージ受けそうだしな。
ものすごく丁寧に開けまーす。
では、ラフィーナが扉に手をかけてノブを回すと、カチャリと音がして途中で止まります。
どうやらこの扉には鍵がかけられているようです。同時に、部屋のなかから聞こえていた声は止んでしまいます。
あっ
あっ
気づかれた……?
やっちゃった(てへぺろ☆)
鍵はスカウトの人なら判定で解錠できますよ。
じゃあガチャっと。
2d6 = [1,2] = 3
ウケる(真顔)
では解錠失敗ですね(笑)。
これはもう扉に攻撃したほうがよくないか
先に【センス・マジック】からだな。もうばれてるし構わないだろう
(小さく頷いて行使の準備をする)
了解です。ではそのまま行使判定しちゃって下さい。
(一応できるだけ小声で)
2d6 = [4,5] = 9
……うまくいった
こちらの扉からは魔力を検知できません。
普通の扉ですね。
なら壊しても大丈夫そうだな
では誰か命中力判定お願いします。
扉に回避力はありませんが一応。
じゃあ私がするよー。
こんなの一撃!
2d6 = [1,1](1ゾロ) = 2
……。
おっ
あっ
これはこれは。
(必死に笑いを耐えている)。
ギャグマンガにありそうな展開になってしまった。
ではラフィーナの狙いすました一撃に蝶番が変な方向にひん曲がります。
この扉を開けるにはもう正規の手段しかなくなりました。
ヒュー(のけぞりながら口笛を吹く)
どうしよう……。一旦エントランスに戻る?
一応、右折した先の扉もありますよ。
ならとりあえず右折の扉を開けてみるかな。
そうしてみようかー。
はい。では、通路を右折した先の扉を開くと、見事に室内が荒らされた寝室と思わしき部屋に出ます。
調度品の類は壊され、深紅のカーテンやベッドシーツなどが部屋中に散乱しています。
どうやら何かを家捜ししていた後のようで、新しい発見はないように思えます。
汚い部屋だ……。さっきの奴らの仕業か?
ウィルが部屋のなかに一歩を踏み出すと、足元でちゃりん、と音を立てるものがありました。
どうやらこの屋敷の鍵のようです。
あ、鍵……
やったぜ
もしかしてあそこも開くかも!
今度こそあいつらとご対面ってわけだな
よっしゃ、行ってみよう