高橋流星

なんだって急に教頭室に呼び出されるんだ・・

高橋流星

テストでカンニングしたのでも見つかったかな?
それとも、学食のマヨネーズを盗んで帰ったのがバレたのか?
しょうがないんだあれは。おれ、マヨラーだから。ごはんにマヨネーズかけないと食べられないんだ。
それなのに母ちゃんに怒られてマヨネーズ隠されちゃったから、自前で用意しなくちゃいけなくなったんだ!
仕方がなかったんだよ! ブツブツ・・

教頭先生

きみが3年1組の高橋くんだね? 高橋流星(たかはしりゅうせい)くん?

高橋流星

いえ、高橋流星(たかはしギャラクシー)です。
突っ込まれる前に言っておきますけど、流星ならホントはシューティングスターなんですけど、うちの親がバカで、ギャラクシーって読み仮名で役所に届けたんです。
だから、高橋ギャラクシーです

教頭先生

あ、なるほどギャラクシーくんか。今風の名前だね、ハッハッハ

高橋流星

ハッハッハじゃねーよ! 気にしてんだよこのキラキラネームは! 普通に高橋って呼べよな! このクソ野郎!

教頭先生

きみ、ずいぶん態度が悪いな

高橋流星

あ、ああ~~! すんません! すいません教頭先生!
おれ、名前のこと言われると切れやすいんで。すいません反省してます

教頭先生

なるほど。その切れやすさでもって、きみは暴力事件を起こし、1ヶ月の停学になった

高橋流星

まあそんなこともありましたね~

教頭先生

停学が開けても、クラスメイトと気まずくなってしまい、そのまま不登校になって、けっきょく留年した。きみは今年19才の高校3年生だね

高橋流星

なんすか! おれの古傷をえぐる会ですか!? あの事件なら反省してますから!

教頭先生

ま、まあ落ち着きたまえ

高橋流星

あのときはしょうがなかったんですよ。
クラスの連中がオレの名前を馬鹿にするから・・ついかっとなって暴れちゃったんですよ。
ホントのおれは、反省して不登校になるくらいナイーブな少年なんですよ。
もうあんなことしませんって

教頭先生

なるほど、きみが反省してるのはよくわかった。しかし、内申書の評価は最悪だな。このままだと進学も危ういな

高橋流星

まじで? そんなにやばいの?

教頭先生

きみは成績もよくないしな、かなりやばいぞ

高橋流星

ああ~~そうなのか~~!
くっそー! おれも大学とか行って恋とかしたかったのに~!
進学あきらめて就職か~

教頭先生

就職もやばいぞ。こういう内申書だと、就職先もだいぶ減る

高橋流星

まじで! おれの人生終わってるの! あああ~~~!!

教頭先生

だがこの内申書、書き換えることができる。わたしの権限で

高橋流星

!?

教頭先生

わたしが書き換えて、『とても優秀な生徒です』と推薦することもできる。進学も就職も安泰だ 

高橋流星

そ、それはどういう・・!

教頭先生

取引だ。きみの返答次第で、すばらしい内申書ができあがる。
実は我が校で深刻な問題があってね・・。
それを解決する協力者が必要なんだ

高橋流星

深刻な問題って?

教頭先生

外部にバレると、死人が出るくらいの問題だ

高橋流星

なんかやばそうだな

教頭先生

やばいぞ。だから、こっそり解決の手助けをしてくれそうな生徒を探してるんだ。
口が堅そうで、弱みを持っていて、裏取引に応じてくれそうな生徒を・・

高橋流星

なんかすごい情けない理由で選ばれたな

教頭先生

理由はもう一つある。きみが3年1組だからだ。深刻な問題は、3年1組にあるんだ

高橋流星

それで3年1組で一番使いやすそうなおれが呼ばれたのか

教頭先生

まあそういうことだ

高橋流星

なんかもう断れない雰囲気っすね

教頭先生

きみなら断らないと信じてる。立派な内申書と、大学への推薦状がきみを待っている! 頼んだぞギャラクシーくん!

高橋流星

だからその名前で呼ぶなって!

 

こうして半ば強引に・・
目の前に甘い甘いあめ玉をぶら下げられながら・・
おれは、教頭の密偵みたいな仕事をやらされることになったのだった。

死人が出るほどの問題ってどういうことだ?

具体的な仕事の内容はというと・・!?

教頭室に呼ばれたキラキラネーム少年、ビクビクする

facebook twitter
pagetop