図書室は、いつもと違った雰囲気だった。
大洞淡香(だいどうあわか)は、一学期最後の図書委員会の集まりに参加するため、図書室を訪れたところだった。
学校は、ちょうど期末テストが終わったところだった。授業は短縮授業になり、学校内でもなんとなく浮き足だった雰囲気が流れている。
淡香も毎日勉強の日々から解放されて、いつもよりも気持ちが明るかった。
図書委員会の集まりの時、全員がそろうことはあまりない。何かしらの用事や部活の大会などで、七割くらいの出席率だ。
けれども、今日はほぼ全員がいるようだった。いつもよりも密度のあがった図書室内に、なんとなく違和感を感じながら、隅のテーブルに向かう。