とある世界、とある国。
そこでは、ドラゴンと言う生物は希少な生物だった。
その爪や鱗で作った装飾品は宝石にも匹敵する資産価値を生む。
骨を粉末状にすれば万病薬にもなり、その心臓を食えば寿命が延長されると言う信仰まで存在した。
ドラゴンが強く、気高く、何より希少であったがために、ドラゴンは人間達に狙われる事になった。
ドラゴンがその気になれば、人間を返り討ちにする事など容易い。
だが、ドラゴン達は戦おうとはしなかった。
元々が、非好戦的で温和な気性をしていたからだ。
それが人間達を調子付かせた。
どこまで逃げても人間達は追ってくる。
その執拗さと狩人の数の力を前に、ドラゴン達はどんどん数を減らされていく事になる。
これ以上仲間を失うのは耐えられない。
平和主義であるドラゴン達も、流石に我慢の限界だった。
そしてドラゴン達は蜂起し、人間と、種族間での全面戦争に発展した。
だが、ドラゴン達は思い知る。
蜂起するのが、遅かった。
人間を、野放しにし過ぎた。
『ドラゴンスレイヤー』。
それは、ドラゴンの心臓を己に移植し、それに見合う様に肉体を機械やドラゴンの素材を用いた装備で改造した、狂気の狩人達。
そのドラゴンスレイヤーの兵団によって、ドラゴン達は敗戦を喫する事になる。
この敗戦から、ドラゴンと言う種族の歴史は暗黒の時代へと突入する事になる。