不思議な森。
周りには、ぴかぴか光る小さな星のような珠がふわふわと浮いている。
空は木々が邪魔をして見えないけど、このホタルのような珠が明るく照らしているから、視界は良好。
その中、あたしもふわふわと浮きながらさ迷っていた。
……あれ? あたしも、この珠と同じ存在かな?
と言うことは、他の珠もあたしと同じように何か考えているのかな?
<おーい! 誰か返事してー!>
……。
…………。
………………。
三十秒ほど待ったけど、誰も返事してくれなかった。
もしかして、あたしハブされてる? くすん。
イジメダメ! ゼッタイ!
まあいいや、みなが無視するならあたしも無視し返してやるさ!
あたしは切り替えが早い女として有名なのだ。
しかしこのふわふわ感、たまりません。
癖になりそう。
水の上を浮き輪に座ってどんぶらこっこと進んでいる感じがして、ものすごく楽ちん。
だって自分で歩かなくても勝手に動いてくれているしね。
……あれ?
じゃあ自分では動けない?!
何と言う落とし穴!!
浮いてるから落ちないけど。
ま、いっか。
あたしは切り替えの早い(以下略。
そのままあたしは、流れに身を任せて、ゆったりと暮らしましたとさ。
おしまい!