猫たちが人間のように暮らす美しい街
キャットタウン。
都会の喧騒と洗練された文化が調和する
この街には、有名な名探偵がいる。
その名はフェリックス・シャープクロウ。
数々の難事件を解決してきた彼は、
キャットタウンの住民たちから尊敬と
信頼を集めている。
猫たちが人間のように暮らす美しい街
キャットタウン。
都会の喧騒と洗練された文化が調和する
この街には、有名な名探偵がいる。
その名はフェリックス・シャープクロウ。
数々の難事件を解決してきた彼は、
キャットタウンの住民たちから尊敬と
信頼を集めている。
そして、そのフェリックスのもとで
勉強中の見習い探偵、ワトリー・ブラウン。
彼はまだ名探偵への道の途中だが、
毎日コツコツと知識と経験を積み重ねていた。
そんなワトリーがよく通う店がある。
それはキャットタウンの中心にある
おしゃれなアイスクリーム屋、ミルクテール。
店内はいつもにぎわっており、
店長のエミリオが誇る新作アイスクリームは
毎回ワトリーの舌を楽しませてくれる。
この日も、ワトリーは新作アイスクリームを
楽しんでいた。
風味豊かなミルクとサツマイモが絶妙に
調和した一品を前に、
彼は至福の時を過ごしていた。
エミリオが微笑みながら話しかける。
ワトリー、新作どう?
サツマイモが美味しいのだ
その短い言葉に、エミリオの顔が満足げにほころぶ
そうだろ!
ところで、エイミーのデビューは今日だろ?
時間、大丈夫かい?
ワトリーはアイスを黙々と食べながら、
のんびりと答えた
まだ大丈夫なのだ
それにしても、本当にモデル
デビューするとはな。あのアレクとかいうマネージャー、凄いよな
エイミーはモデルになることが夢だったのだ
実力で人気が出たのだ
エイミーの体型は、いわゆる一般的な
モデルとは少し違っていた。
それでも、
彼女の持ち前の明るさと愛嬌は、
周囲を虜にし、瞬く間に人気を
集めるようになった。
普段はスタジオでの撮影が中心だったが、
今回は特別。アイドルとのコラボイベントで、
ステージ上のランウェイを華々しく
歩くという夢のような機会が巡ってきた。
エイミー
にゃんチューブでも有名だよ
にゃんチューブは知らないのだ
これだよ
エイミーの話題で再生数上げてるみたい
すごい所で撮ってるのだ
それは合成だよ。探偵のくせに知らないの?
べ、勉強しとくのだ・・・
ワトリー、エイミーのこと
どう思ってるんだい?
親友なのだ
好きなんだろ?
大好きなのだ
僕が言ってるのは、メスとして
見てるかってことだよ
エイミーはメスなのだ
違うよ、ワトリー
結婚できるかってことだよ
結婚?
エイミーにはボーイフレンドがいるのだ
そっか・・それなら
まあ、いいけどさ
ワトリーは再びアイスクリームを一口食べ、
無言で頷いた。
彼の頭の中はエイミーのことと、
これから始まる彼女の大舞台のことで
いっぱいだった。
彼女の夢を見届けるために、ワトリーは
この後、キャットタウンを駆け抜けることに
なるだろう。
しかし、その平穏な日常は、
思いもよらぬ形で崩れていくのだった。
雨が降ってきたのだ
急ぐのだ
ワトリーはエイミーからもらった
チケットを片手に、ウキウキと会場に
足を踏み入れた。
その席はなんと最前列のVIP席。
エイミーの大切なモデルデビューを
一番前で見られる喜びが、
ワトリーの心を一層弾ませる。
指定された席に着くと、隣に知った顔が
いるのに気がついた。
ワトリーは驚きつつも、にこやかに声をかけた。
ジョセフ、ポテト!
あれ、ワトリー!
ワトリーじゃないか!
なんでここに!?
今日はエイミーのモデルデビューの日なのだ
そうなんだ僕たちはアイドルの・・
ポテトは笑顔で答えようとしたが
すぐさまジョセフが彼の口を押さえ
ポテトの言葉を遮った。
アレクに警備を頼まれてね
ジョセフが急いでフォローする。
彼は小声でポテトに向かって、
仕事中なんだから余計なことを言うな!
あ、そうでした
ワトリーは不審な目で2匹を見つめるが、
すぐに大きな音楽とともにショーが始まり、
その音に気を取られた。
会場は光と音で包まれ、煌びやかな
モデルたちがステージを歩き始めた。
観客は目を輝かせ、歓声が響き渡る。
ワトリーもエイミーの登場を心待ちにしていたが、
時間が経っても彼女は現れない。
エイミーが出てこないのだ
シオンちゃんまだですかね?
もう出てきてもいいはずだが??
・・・
ワトリーは次第に胸騒ぎを覚え、
時間が経つごとにその不安が大きくなっていった。
そして、ついにマネージャーのアレクが
VIP席に急ぎ足で現れた。
彼は真剣な表情でジョセフに向かって
ジョセフ
すぐに来てくれないか?
どうした?
コソコソ
わ、わかった
すぐに向かう
アレクはジョセフに耳打ちし
ジョセフはポテトを連れ足早に歩きだした
何かあったのか?
アレクは言葉に詰まり、
躊躇したように口を開け閉めした。
それが・・・
ワトリーは即座に立ち上がり、
ボクも行くのだ!
ワトリー、待て!
―エイミーに何かが起きている。
その直感が、ワトリーを駆り立てていた。
ショーの華やかさの裏で、
ワトリーはこれから始まる暗い陰謀に
足を踏み入れることとなるのだった。
つづく