ジョセフは洞窟の奥に導かれ、
神秘的な光が差し込む場所に入った。
そこには美しい女性の鬼、
椿(つばき)が静かに座っていた。
椿はジョセフを見つめ、静かに口を開いた。
ジョセフは洞窟の奥に導かれ、
神秘的な光が差し込む場所に入った。
そこには美しい女性の鬼、
椿(つばき)が静かに座っていた。
椿はジョセフを見つめ、静かに口を開いた。
あなたが調印式を行う親善大使ね
何!ジョセフが?
瞬時に銃をジョセフに向けた
お前、あいつらの手先か?
ち、違う、俺は騙されて
連れてこられたんだ
本当か?
ああ、本当だ、これを見てくれ、
これは仲間の証だろう
睾丸袋を椿に差し出した。
椿が袋を受け取り中を覗くと、突然
きゃぁああ!!
え?!
やはり手先だな!
椿はすぐに冷静さを取り戻し、パルを静止した。
お待ちなさい、その方を殺してはいけません
ごめんなさい、少し驚いただけ。マイキーから大切な物を預かったのね
ジョセフはほっと胸を撫で下ろした。
椿は優しく微笑み、
ジョセフ、どうか無礼をお許しください
いいんだ、そんなことより
あなたには首輪がないが、
いったいどういうことなんだ?
椿は深い悲しみを湛えた目で答えた。
はい、私はこの島で神とあがめられ、閉じ込められていました。
桃次郎様と婚約しているのです
何?!
桃次郎様と結婚する代わりに、
ここの鬼たちの自由を約束してくれましたが、いつしかその約束は破られ、鬼たちは奴隷になってしまったのです
そんなことがあったのか…
明日の調印式のあと、桃次郎と椿の結婚式が行われる予定だったが、我々が彼女をかくまった。
このままではこの島はあいつらの物になってしまう。ジョセフ、作戦を立てるから付き合ってくれ
わ、わかった・・・
ジョセフは頷き、パルの後を追った。
振り返ると、椿が月を見上げながら、
何かを手にしていた
桃次郎さま...
作戦会議は、アイリも加わり、
野良鬼や傭兵たちと共に行われた。
野良鬼には首輪がついているため、
うかつに敵には近づけない。
そこで、
傭兵たちが代わりに調印式を
阻止する計画が立てられた。
しかし、武力で阻止するのか?相手は警察だぞ。
それなりの警備をしているんじゃないか?
ああ、しかしこちらには人質ならぬ鬼質がいる
椿か?
鬼ヶ島の象徴、神の一族ともいわれる椿なくして
この島を占拠することはできない。それと引き換えに鬼の開放を訴える
それにこちらには裏金や天下りのスクープもあるわ。
これを世界中に発信したらどうなるかしら
ジョセフ、
明日の調印式に出てくれ
え?!
相手を油断させるんだ。調印式にはたくさんの権力者が来る。
そこで桃次郎の悪事を暴くのさ
お.おう・・・
ジョセフは嫌な予感が胸に広がるのを感じながらも、頷かざるを得なかった。
つづく