キャットタウンは、
都会的な雰囲気とシックな建物が並ぶ、
非常にオシャレな街として名を馳せている。

この街は、まるで絵本から飛び出してきたかのような美しさと、猫たちの穏やかな
生活が調和している場所だ。

この美しい街では、猫たちが毎日平和に
暮らしている。

しかし、

その平和は決して偶然の産物ではない。
街の中心にそびえる警察署が、
その平和を守るために日夜働いているのだ。

警察署の中では、警察官ジョセフがいつものように
ドーナツを楽しんでいた。

♪~

ポテトは電話の前で待機している
彼の目はキラキラと輝き、事件が起こるのを今か今かと待ち望んでいる様子だった。

ワクワク

その時、
静かな警察署内に突然電話の音が響いた。

ポテトは興奮気味に勢いよく電話に飛びついた。

はい、こちらキャットタウン警察署!事件ですか!?

しかし、
電話に出たポテトの顔色が
みるみる変わっていった。

ジョセフは何事かと一旦ドーナツを置き、
ポテトの様子をうかがった。

はい!了解しました

先輩、大変です。本部の偉い猫からの伝達で、今からその偉い猫が来て、先輩に話があるそうです。

偉い猫って誰なんだ?

これは昇進なんじゃないですか!いよいよ先輩も上に行くんですかね?

そのざっくりした言い方、やめてくれ

その時、警察署の前に一台の高級車が
静かに止まった。ポテトは目を輝かせて、

先輩、来ましたよ!
ドーナツ片付けて!

お、おぅ

ジョセフとポテトは緊張した面
持ちで玄関に立ち、
そのお偉い様を迎える準備を整えた。

ジョセフとポテトは背筋を伸ばし、
深々とお辞儀をした。

車からは秘書らしき猫が降りてきて、

後部座席のドアを恭しく開けた。
そこから現れたのは、高級なスーツを身にまとい
腕には輝く時計をはめた若いオス猫だった。

ささ、こちらへご案内いたします

署内へと案内しジョセフとポテトは
緊張した面持ちでソファに座った。

今日は一体どのようなご用件でしょうか?

秘書の猫が静かに名刺を差し出した。
ジョセフがそれを受け取ると、

そこには
「MMT開発会社 代表取締役社長 桃次郎」
と書かれていた。

ジョセフは眉をひそめた。

こちらは、伝説の英雄
『桃猫太郎』の子孫であられる
桃次郎様でございます。

私は秘書のマサ彦(まさひこ)と申します。

これは一体?

お聞きしておりませんか?本部の方とお話をして、あなたを推薦したのです。

推薦?

秘書が続けて説明しようとしたその時、
桃次郎が静かに手を挙げて言った。

桃次郎

あとは僕が話します。

桃次郎

ジョセフさん、あなたの活躍はよく耳にしています。数々の難事件を解決してきたとか。

え、ええ、まあ

桃次郎

それなのに昇進もせず、ずっとこの街に残り、平和を守り続けている。僕はあなたのような猫を探していました

そ、そうですか。

桃次郎

実は我々の島の親善大使としてあなたを迎えたいのです。

親善大使ですか?

桃次郎

ええ、私の先祖は以前、その島で鬼が暴れていることを知り、
お供を連れて鬼退治に行きました。島を制圧し、鬼は悪さをしなくなりました。

桃次郎

私はその後、その鬼ヶ島を開発し、インフラを整備して、鬼たちに教育を与え、
鬼と私たちが共存できる未来のプロジェクトを立ち上げてきました。

そう言って、桃次郎はパンフレットを渡した。
そこには近未来的な建物が並び、鬼たちが幸せそうに暮らしている様子が描かれていた。

桃次郎

そこであなたのような健全で市民の安全を第一に考える方が、
この島の親善大使になってくだされば、大いに鬼ヶ島はアピールできると考えております

親善大使なんて有名人にしか与えられない称号ですよ!

しかしジョセフは一抹の不安を感じていた。

しかし..

桃次郎

もちろん、お礼はたっぷり弾ませていただきますよ。

桃次郎

親善大使といっても、鬼ヶ島の魅力をアピールしてくれればいいんですよ。

ジョセフは一瞬考え込んだ。過去に目先の
美味しい話に乗って失敗を重ねてきたため、
今回は慎重に判断しようとしていた。
しかし、桃次郎の次の言葉が彼の思考を遮った。

桃次郎

これは警視庁のお偉いさんからの指示ですので、あなたに選ぶ権利はないんですよ。

桃次郎

これが成功すれば警察署本部であなたの功績が認められるでしょう。

桃次郎

ではさっそく参りましょう

今から?!

桃次郎

はい。お偉いさんから許可は得ていますので

お偉いさんて誰なんだよ?

桃次郎

もちろんポテトさんもご招待しますよ。

はい、お供します!

ポテトはすぐに桃次郎の前に行き、
期待に満ちた表情を浮かべていた。

桃次郎はポテトの頭を優しく撫で

桃次郎

お手

ハイ!(パシ)

桃次郎

お座り

ハイ!(スちゃ)

もうポテトが懐いている!?
さすが手なずけのプロ!!

桃次郎

さあ、
ジョセフさん、ポテトさん、
鬼ヶ島へ向かいましょう。

ジョセフはまだ不安を抱えつつも、桃次郎の確固たる態度に押され、決意を固めた。

彼が未知の冒険に踏み出す瞬間が訪れたのだ。
鬼ヶ島の未来、そして自分の名誉のために
つづく

おまけ

桃猫太郎です
このイラスト気に入ったので載せましたW

第1話 キャットタウンにやってきた猫

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