メイが所属する軍隊は都、

武蔵帝都へと帰ってきた

そこは

「武蔵帝都軍」と書かれた堂々たる軍の施設。
部隊が施設に到着すると

部隊長の蓮がメイに近づき、淡々と命じた。

メイは緊張した面持ちで
「は、はい」と返事をした。

メイは小さく返事をした。「うん...」

施設の地図を確認し、
メイは医務室への道を探した。

（広いなぁここ、なんか学校みたい）

「あ、あった」そして、医務室のドアを開ける。

ガラガラ

「あの～」

「はーい」

出迎えてくれたのは、妙に色っぽい
看護師だった。彼女はメイの首に腕を回し、
顔を近づけてきた。

メイは戸惑いを隠せない。「えっと．．」

その時、奥から男性の声がした。

「アイちゃん、青少年をからかうなよ」

声の主は白衣を着た、白く長い髪を持つ、
非常に美しい顔立ちの男性だった。
メイは思わずドキッとして、下を向いてしまう

メイは部隊長に言われて医務室に来たが、
どう説明すればいいのか分からなかった。
自分が一度飛び降りて、気づいたら
部隊の中にいたなんて...誰が信じるだろう。
メイは何も言えず、下を向いたままだった。

和真はメイの様子を見て

緊張で声が震える、
「え、は、はい」と小さく答えた。

和真の端正な顔立ちを見上げると、
心臓が早鐘のように打ち始め、
頬が熱くなるのが自分でも分かった。

メイは上着のボタンに手をかけたが、
恥ずかしさで指が震え、
なかなかボタンを外せない。

和真は医師としての落ち着きを保っているが
メイはそんな彼を前にして、
思春期特有の照れくささと戸惑いに
包まれていた。

自分が恥ずかしがっている姿を和真に
変に思われてしまわないかと心配しながらも
何とかボタンを外そうともがいていた。

アイがため息をつきながら
ボタンを外してくれた。

そして、和真の聴診器がメイの胸に当てられた。

メイはふと和真の後ろにある鏡を見た、

そこには
自分ではない誰かが映っているのを見て

思わず立ち上がり、鏡に向かって叫んだ。

「誰？う、うそでしょ。」

鏡に映っていたのは、上半身裸の少年だった。
紛れもなく、それは自分自身だ。

メイは震える声で言った。
「私．．．男の子に．．．」

アイは和真に向かって心配そうに尋ねた。
「先生、この子どうしたのかしら？」

和真は
「．．．混乱しているようだね。」

その瞬間、メイは力尽きて床に倒れてしまった。

メイは頭の中が混乱していた。
確かに、学校の屋上から
自らを投げ落としたはずだった。

その瞬間の感覚は、メイの記憶に
鮮明に残っている。

しかし、目を覚ました時、
メイが見たのは軍の施設の中だった。

そして、目の前には魔獣が現れ、
その次は、
自分が男の子の体であることに気づいた。

「これはきっと夢．．．でも、
もしこれが現実だったら．．．
私は、知らない世界で男として生きていくの？」

そんな思いが心を駆け巡る。

しかし、メイの心の奥底から
何かの力を感じていた。
飛び降りる前の自分は
情けなくて、弱くて、いつも意気地がなかった。

でも、今は自分の内側から新たな勇気が
湧き上がっている。

「変われるチャンスなのかも．．．
もし、目覚めた時、
自分が全く新しい存在として
この世界に立っていたら
私は過去の自分を超えて
新しい自分を見つけ出すことが
できるだろうか．．．」

そんな思いを巡らせていると、部屋の扉が開き、アイが入ってきた。

メイは返事をする前に、もう一度鏡を見た。
そこに映っているのは、確かに自分だったが、
昨日までの自分とは全く違う姿だった。

「いいえ、私、行きます。」そう言って
メイは上着を着て医務室を出た。

新しい体、新しい世界、そして新しい自分。
全てが未知であるが、メイはその一歩を
踏み出す勇気を見つけた。

これからのメイの物語は、まだ誰も知らない。

つづく