キャットタウンの小さなアイスクリーム屋
「ミルクテール」で、ワトリーはいつものようにアイスクリームを楽しんでいた。その時、店長のエミリオがニュースについて話を切り出した。
キャットタウンの小さなアイスクリーム屋
「ミルクテール」で、ワトリーはいつものようにアイスクリームを楽しんでいた。その時、店長のエミリオがニュースについて話を切り出した。
ワトリー、新聞読んだ?
読んだのだ、今日は5時からまたたびパンの特売があるのだ。
広告じゃなくて
?
ここ最近で火事が2件も
起きているんだよ
そういえば、最近消防車のサイレンが聞こえたのだ
ボヤで済んだらしいけど
怖いよね。あのサイレンの大きな音を聞くとドキッとするよ。
あのサイレンの音で起きちゃうのだ。
エミリオの話題はさらに
不気味なものへと変わった。
ドキッとすると言えば、街の外れにある廃墟の噂知ってる?
しらないのだ
あの屋敷には幽霊が出るんだって。足を踏み入れた者を拒むかのように少女の霊が現れるんだ。
そ、そんなの噂なのだ、
怖くないのだ。
しかし、その声には明らかに不安が隠れていた。
見に行ってみよう
行きたくないのだ
探偵なんだろ、調査しなくちゃ。
そう言って、エミリオは無理やり
ワトリーを連れ出した
外はすでに夕暮れが迫っていて、
二人が廃墟に向かう道中、
ワトリーの心は不安でいっぱいだった。
キャットタウンのはずれに立つその廃墟へと、
ワトリーとエミリオは足を踏み入れた。
木々に覆われ、時の流れを忘れさせるようなその不気味な道を歩きながら、
エミリオは心の中で後悔していた。
ワトリーやっぱり帰ろうか
何をいまさら、無理やり連れてきたのはエミリオなのだ。でも、怖いからちょっとだけ見て帰るのだ
オレ、もう帰りたい
二人がその古びた門の柵を開け、
一歩足を踏み入れる
うわぁああ!!
うわぁああ
突如、空からカラスがギャーギャーと騒ぎ始めた。その突然の鳴き声にワトリーとエミリオは驚き、思わずその場に転んでしまった。
...
どうしたのだ?
エミリオは指を震わせながら言った。
あ、あれは...
その時、二人の目の前に広がっていたのは、時間が止まったかのような廃墟の風景だった。朽ちた壁、壊れた窓、そして、どこか悲しげな雰囲気が漂うその場所は、まるで過去の何かを今に伝えようとしているかのようだった。しかし、エミリオが指差したのは、それらの風景ではない
エミリオが指差した方向に目を向けた瞬間、二人の視線の先にあったのは、廃墟の2階の窓から覗く少女の姿だった。その姿は何とも言えず恐ろしく、エミリオとワトリーはお互いを見つめ合い、思わず
あ、あれが...?!
ギャー!!
2匹は足早にその場から逃げ出した
つづく