公園のベンチで、フェリックスは
リリーちゃんに向かって質問を続けた。
公園のベンチで、フェリックスは
リリーちゃんに向かって質問を続けた。
あなたはミミちゃんが高価な
キーホルダーを持っていたと
言っていましたね。
はい
それは鞄のどの辺りに
付いていましたか?
えっと...確かこの辺り
リリーちゃんは少し考えて
鞄のポケットの辺りを指さした。
それは確かですか?
はい
おかしいですね。
アイスクリーム屋の店長に聞いたところ、ミミちゃんの鞄には高価なキーホルダーは付いていなかったと証言していましたが。
そんな...店長が私たちの鞄まで見てはいないと思いますが
リリーちゃんは戸惑いを隠せない様子だった。
いえ、あの店長さんはあなたたちのことを他の常連さんよりも
よく覚えているようでした。
なんでも、可愛い子はしっかり覚えているとか
そう...ですか...
そのキーホルダーはミミちゃんのご両親も知らないと言っていました、見たことがないと。
そのキーホルダーを見たのは
リリーちゃんだけなんです。
フェリックスの言葉は重かった。
私が嘘をついていると?
いいえ、キーホルダーは
あなた達の目の前に
確かにあった。でも持ち主はミミちゃんではなく..
フェリックスは
リリーちゃんの目を直接見つめた。
リリーちゃん、あなたが
ミミちゃんに金のキーホルダーを渡しましたね。
わ、私...が?
リリーちゃんは言葉を失い、
フェリックスは冷静に続けた
さらにもうひとつ、リリーちゃんのお父さんとの対話の中で気がかりな部分がありました。
お父さんはリリーちゃんが
ある手紙を読んで悲しんでいるのを見たと仰っていました。
手紙は恐らくミミちゃんからのもので、別れを告げる内容だったのではないかと話してくれました。
あの手紙は違います
リリーちゃんは首を振った
では、誰から送られてきた手紙ですか?
知りません、名前が書いてなかったから
りりーちゃん、実はミミちゃんの他にも失踪している子がいたのだ。。
ご両親から話を聞くと、
名前の無い不審な手紙が隠されていたのだ
その手紙にはこう書いてありました
選ばれし猫、秘められし才能と金のキーホルダーを持つ者、それは見えざる真実。新月の夜、
深き闇のとき、やがて人間界の門が開く。
夢が現実を超え、新たなる姿をまとうのだ
リリーちゃんは無言でうつむいていた
その手紙には人間界の門が開くと書いてあります。
新月はミミちゃんが失踪した日
おそらくリリーちゃんの手紙も同じような内容だったのでは?
ミミちゃんに人間のエドワードにどうしても会いたいという話を聞いたあなたは、ミミちゃんにキーホルダーを渡した。それがあれば人間の世界へ行けると信じて。
わ、私は何も知らない...
そんなのフェリクスさんの推測でしょう
リリーちゃんは必死に否定しようとした。
しかし、フェリックスの目は彼女の言葉を
信じることなく、真実へと近づいていると確信していた。
つづく