そーっと教室の戸を閉める真島。
俺様の名は
真島 剛太(まじま ごうた)
この辺じゃ俺の名を聞いただけで
震える奴がごまんといるぜ!
不良? ヤンキー?
フッ!好きに呼べよ
はぁ?
今どきヤンキーなんて流行らねえって?
誰に言ってんだよ、てめぇ!
フッ!
これは俺の生き方なんだよ!
シャバイ生き方なんて、
俺らしくねぇし
入学式?
へ、あんなもん、出るわけねぇだろ!
バックレてたんだよ!
ワケのわからねえ奴に
頭突き食らって
数日寝込んだことは秘密だぜ
夢ん中でよぉ
一昨年死んだ爺ちゃんに
ヤンチャするのは構わねぇけど
あんまり親泣かせんなって
言われちまってよぉ…
今日はとりあえず、クラス締めに来たんだよ
まあ、俺が最強で最凶、しかも最狂ってのは事実だけどよ
周囲の連中にしっかりと
わからせねえとな!!!
お、この教室か!
前の扉から入って一睨みして
全員ビビらせてやるぜ!
こういうのは
出だしが肝心なんだよ!
っしゃぁああ!
そーっと教室の戸を閉める真島。
み、見なかったことにしよう…
真島はそそくさと教室の後ろの扉から入り、窓際の一番後ろの席に腰を下ろした。
あ、あのー
そこ、僕の席だけど…
あぁん?
ええと、あの、あの…
その時、真島は視線を感じた!
ケンカ慣れした彼の本能が反応したのだ!
…
ぎくっ!
そ、そうか、オマエの席ねー?
俺、真島っていうんだけど、
休んでたんでわからねぇんだわ
俺の席、どこかなー?
席順は出席番号順なんだ
多分この列の一番前だよ
昨日まで空いてたから
そうか〜!
サンキューなー!
ちっ!
一番前とか目立つじゃねえかよ!
適当なところでバックレちまおう…
あ!
この間の人です!
同じ高校で同じ組なんて!
すごい偶然ですね
また会えて良かったです
頭ぶつかったこととか
謝っておきましょう
え?
な、なんだよ…
こ、こっちに来る…?
!”#$%&’(…
真島の体は本能で逃げたがっている!
HR始めるぞ〜
席につけー!
ひっ!
た、助かった…!!!
謝る時間がありませんでした
今度の休み時間にでも行きましょう
HRが終わると同時に
真島は教室から逃げるように去っていった…
第3話 終