さすがに少しはよくなっていると思いきや、体も動かず、熱も解熱剤を飲んでも、『39.6度』を示す。
自分の汗でベッド内にプールが出来るんじゃないかと思うほどの尋常でない量の発汗がある。パジャマも全身水を被ったようにビショ濡れ状態……。
食事も水分も取れていない状況が続いているので、喉も唇もカラカラ、頭もボーとし、脱水症状を起こしかけているよう。
これは明らかに『2回目のワクチン接種』の副反応ではないと、母は大きな総合病院の発熱外来へと私を連れて行ってくれた。
病院に到着するが、発熱外来は病院には入れないので、診察予約したズラッと並んだ車の中で、診察の順番を待つ新しいシステムだ。
予約から約1時間遅れで、ようやく順番が回ってきた。
病院の外に作られた、特別な施設へと一人で入る。
そこで見た光景は、よくテレビで見るコロナ用の青い防護服に身を包んだ、看護士さんと技師さんの姿だった。
そこで症状を伝えると、『検温・血圧』、『抗原検査』、『血液検査』、『胸のレントゲン』を撮った。
しかし、しばらくすると看護士さんたちが集まり、ザワつき始めた。
すぐに医師に連絡を入れ、車椅子に酸素ボンベが積み込まれ、それに乗り、病院内にすぐに向かうように言われ、看護士さんに押してもらって病院内へ。
病院施設内に入ると、ものすごい音を立てて、巨大な空気清浄機っぽいものが稼動した30畳ほどある大きな施設に通された。
そして、しばらくその部屋でものすごい冷たい風に当たりながら、空気で体を洗われているような状態だった。
一度、CTを別の部屋で撮影し、またその部屋で待たされることとなった。
ここから、長い長い壮絶な未知の世界を、私は味わうこととなる……。