朝起きると、昨日よりも体がだるい。
ベッドから起き上がり、熱を測ってみる。
ピッ『39.5度』
昨日よりも熱が1度上がっている。
今日は夏休みの塾も1日休んで、体を休めよう。
昨日は、だるくてそのまま夕食も食べずに寝てしまったので、今日の朝は何か食べなくてはと思ったが、食欲が全くない。
母がおにぎりをテーブルの上に置いてくれていたので、一口食べようとしたが、味が全くしない……。
5粒ほど口に入れたが、喉の奥へ入っていかず、そのままティッシュの中に吐き出してしまった。
他に何か食べようと思ったが、やはり、全く食べれなかった。
今度は、牛乳を恐る恐る口に運び、少しだけ口に含んだ。
「ぼえぇ~……」
いきなりシンクで吐き出す。
まるで腐っている牛乳を口に入れた感じだった。とても苦くてまずくて飲めたものではない。
「この牛乳、腐ってる……?」
賞味期限を見るが、大丈夫だ。
やはり、自分の味覚がどこかおかしかった。
――この日、結局、飲まず食わず、熱もずっと『39.5度』から頓服を飲んでも、1度も下がらず高熱のままだった。
1日寝れば、明日にはケロッとしているはずと信じ、この日は高熱と戦いながらもベッドの中で耐え続けた。