アルド

ダメだ、全然見当たらない……

ヒナタ

フェンおねーちゃん達、どこに行っちゃったの?

レイス

いきなり「ノーチェさんだ!」って叫んだかと思ったら、どっかに走って行っちまってたもんな

レイス

落ち着きがないというか、行動が早すぎるというか……

ネネ

ふふふ、フェンさんらしいですわ

アルド

ルーク君が急いで追いかけて行ったけど……大丈夫かな

ネネ

ルーク様がいるなら、少なくとも迷子にはならないと思いますわ

レイス

追いついていれば、の話だけどな

レイス

とりあえず、どうせ街中で合流するのは無理だ。これ以上探し回るのは反対

ネネ

そうですわね。せっかくヒナタちゃん達の休日ですもの、ゆっくり街を回りましょう

ヒナタ

……フェンおねーちゃん達、大丈夫なの?

ネネ

きっと大丈夫。今までも、こういうことが何度もありましたの

アルド

何度も……

レイス

オイラ達の心配をよそに、いつも晩ご飯の時にはふらっと帰ってくるから大丈夫だよ

アルド

な、なんだかごめんね……?

レイス

アルドが謝る必要はねーけど

レイス

……ま、気が向いたらフェンに注意しといてもらえたら助かる。多分、意味ないけど

アルド

う、うん、分かったよ……

ネネ

それじゃあ、気を取り直して……ヒナタちゃん、気になるお店はある?

ヒナタ

うーんと、ね……

ヒナタ

ヒナタ、ケーキが気になるの!

ネネ

でしたら、オススメのケーキ屋さんがありますわ

ネネ

スポンジはふわふわふんわり、クリームは甘さ控えめでしっとり……苺は少し甘酸っぱくて、良いアクセントになるんですの

ヒナタ

わぁ……!とても美味しそう、早く行きたいの!!

ネネ

ふふ。それじゃあ、はぐれないように手を繋ぎましょう?

ヒナタ

うん!!

ヒナタ

れっつごー!!なの!

ネネ

ええ。れっつごー、ですわ

アルド

あっ、ヒナタ!?

レイス

ったく、これだからお子ちゃまは……

レイス

アルドの要望は後で聞くからな、考えといてくれよ

アルド

あ、いや、僕は特に……ヒナタが楽しければ……

レイス

良いから、考えとけよ

レイス

これからフェン達と旅をするんだろ?こういう時にしか、ゆっくり楽しめないと思うぞ

アルド

あ……うん、分かったよ

アルド

……レイス君って

レイス

ん?

アルド

とっても優しいよね

レイス

べ、別にこれくらい普通だろ!

レイス

それに、えーと……他の都市に行って「あー、ファストってつまんない場所だったんだなー」とか思われたくないだけだ!!

アルド

あはは、そっか。うん、ありがとう

レイス

っ……オイラ、先に行くからな!!

アルド

え、ちょ、レイス君待って!?

アルド

そうだ……いつかは、この街から出発するんだ

アルド

旅……ただの旅じゃなくて、王家や騎士団から逃げ続ける旅、か……

アルド

元の世界に、帰るための……

クラウド

………………

フウル

………………

クラウド

フウル、残念だけどご褒美はナシ

フウル

そ、そんなぁ……

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