ルーク

見逃す、ねぇ……随分余裕があるようで

ええ。あなた方を倒すことなんて、眠っていてもできますからね

ルーク

…………

フェン

うん。ルーク、戻ろう

フェン

せっかく見逃してもらえるんだし、さ

ルーク

……ああ

フェン

それじゃあ、私達は失礼します。尾行とかしないでくださいね

ふふ、もちろん。そのような趣味、私にはありませんからね

フェン

……そうだ。一つだけ、質問しても良いですか?

何でしょう?

フェン

お名前、まだ秘密ですか?

…………

名乗るほどの者ではありません

フェン

"秘密"ってことですね、分かりました

フェン

いつか教えてくださいね

……ふんっ

ルーク

アイツの名前、そんなに気になるのか?

フェン

へ?

ルーク

ほら、初めて会った時も聞いていただろ

フェン

初めて……廃院の時のことだね

フェン

そりゃあ気になるよ、仲良くなりたいし

ルーク

おいおい、本気か?アイツと仲良く?

フェン

本気だよ。まだお互いのことを知らないから、こうしてすれ違いが起きてるのかもだし

フェン

仲良くなれたら、貴重な戦力ゲット☆……なんてね

ルーク

はあ……ボクは、仲良くできる気がしないけど

フェン

それは今後次第じゃないかな

フェン

「ピンチの時に颯爽と現れて……ドキッ☆な、何なの、この胸の高鳴りは……!?」みたいな展開もあるかも!

ルーク

あってたまるか

フェン

にしても、廃院かぁ……なんだかもう、数十年前の出来事みたいに思えちゃう

ルーク

まだ二日前のことだぞ

フェン

ファストに来てからの出来事が濃厚すぎる……全然ゆっくりしてない気がする……

ルーク

まぁ、刺激がないよりは良いんじゃないのか?

ルーク

どこかの誰かさんが変なことをする暇もない、ってことで

フェン

どこかの誰かさん……?私以外に変なことする人なんて、いる?

ルーク

自覚があるようで何よりだ

ルーク

それで、どこに行く気だよ?

フェン

え?商店街の方だけど

ルーク

ここ、商店街から真逆の方だぞ

フェン

えっ

ルーク

……気の知れない奴の名前を知ろうとする前に、まず、この都市の地理について知ろうとしてくれ

フェン

それはちょっと……

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