ーーこれが、
四半世紀も昔の事かと思うと
また、感慨深い。
ーーこれが、
四半世紀も昔の事かと思うと
また、感慨深い。
嗚呼、カネがない
それは、私が大学2年生になる春のこと。
もう間もなく新入生が入学してくれば、
先輩として振る舞わなければならなくなる時のこと。
それも、大盤振る舞いを。
あああああああああああ嗚呼!!!
かねがね金がねぇよぉぅ……。
当時、サークルの最上級生が
卒業することもあって
毎日ののように飲み会が行われていた。
はーい、お会計ー!
4年、8000円!
3年、5000円!
2年、3000円!
1年生は500円!
まだ1年生であった私は、
最小限の出費で飲み会に参加していたものの、
それが毎日となると馬鹿にならないのであった。
くわえて……。
はーい、2次会行く人ー!
あ、「友」と「僕」は決定ねー!
うぇーい!
\うぇーい!/
まじかよー……。
無駄に酒に強い私は、
はしご酒を繰り返す事になり、
人一倍の出費であった。
あー、飲んだ飲んだ。
今日も友2家に宿泊だな。
うう……。
どうした、僕。
腹減ったなら牛丼でも食っていくか?
え!いいの!
いいよ、別におごるわけでもないし。
そうだよねぇ
それにしても、友のやつ、金回りいいいよな。
なんかいいバイトでもしてるのかな。
友ってさ、バイトなにしてんの?
してないよ。
ええ!?
じゃあ、なんでそんなに金回りいいの?
うち実家太いし。
だよねぇ。
僕がなんとか工面して出席していた
日々の飲み会の出費が
友には痛くも痒くもなかったのだ。
うう、友の意見や生き方は全く参考にできないぞ、これ。
僕もなんとかして力を……。
金を手にしなければ……。
そう。
新歓乗り越えられる財力を!
新歓。
それは、新入生歓迎期間に行われる、
新入生無償飲み会の総称。
この概念が、昔も今も変わらぬままかはわからないが、
新入生に居心地の良い場を提供する
当時の施策として
当然のごとく行われていた。
※もちろん未成年はソフトドリンクに限られる
Between AandZ
あー、なんか割のいいバイトでもないかなぁ……。
当時のバイト探しの常套手段である、
コンビニのバイト情報誌。
ざーっと眺めて見る。
高額といえば警備員。
短期集中といえば警備員。
警備員。
警備員。
なんかしらんけど、警備員の募集ばかりが目につく。
んー、結構貰えそうだし、警備員やってみようかな。やめるときも後腐れなさそうだし。
くださいな!
こうして、僕の大学生初の春休みは
警備員として生きることになった。
つづく
「僕」ってなんだかんだ体張るよな。