シグレ

さテ、ワタクシはこのあたりで失礼しますガ……あまり変なことはしないでくださいネ

シグレ

ワタクシは雇われゲームマスター、プレイヤーのサポートをする存在でございまス

シグレ

そして同時ニ、プレイヤーを管理する存在でもありまス

シグレ

不審な行動が確認され次第、即ゲームオーバーにいたしますのデ……

シグレ

気を付けていただきますよウ、よろしくお願いいたしますネ

ソウスケ

ふんっ。お前こそ、雇われゲームマスターの分際で"王様"になったつもりでいるなよ

シグレ

ふふフ……ご忠告、ありがとうございまス

シグレ

それでハ、失礼しまス

セナ

こ……怖かったです…………

ユヅキ

ソウスケ……もうちょっと、こう……穏便な感じにできないのか?

ソウスケ

穏便?俺達を誘拐した奴らに、そんな態度できないな

ユヅキ

……うん、まあ、そうだけど

セナ

うぅ、やっぱりソウスケさんは怖いです……

セナ

一昨日は、全然怖くなかったのに……

ソウスケ

とにかく、あの場所にもう一度行くのはナシだ

ユヅキ

だな。また道に迷ったりしたら、それこそ終わりだろうし

ソウスケ

それもあるが、あの場所には脱出口のようなものはないだろう。探しに行く必要はない

セナ

えっ、どうして分かるんですか?

ソウスケ

シグレ自身が言っていただろ、「あの場所には外界に繋がっている扉などない」って

ユヅキ

……あの場所"には"…………

ソウスケ

他のどこかには、外界に繋がっている扉があるかもしれない

ユヅキ

なるほどな

ユヅキ

でも……そう言っただけで、本当はどこにもないかもしれない

ソウスケ

それこそ、この場所を隅々まで探してみないと分からないだろ

セナ

隅々……そういえばここって、どれくらい広いんでしょうか

セナ

なんだか、とても広く……果てしないように思えます

ソウスケ

今度シグレに、この場所の地図を貰おう

ユヅキ

だな。素直に貰えるか、分からないけど

ユヅキ

お願いするだけなら、タダだしな

セナ

……お二人は、シグレさんのことが怖くないのですか?

ユヅキ

……オレは、怖い、とは思う

ユヅキ

こんな大人数の人間を、ご丁寧にも記憶喪失にして集めたんだ

ユヅキ

シグレはもちろん、シグレの背後にいる奴も怖いよ

ソウスケ

…………

ソウスケ

俺は、怖いとは思わない

セナ

どうして?

セナ

……怒っているから?

ソウスケ

ああ。恐怖よりも先に、怒りが湧いてくる

ソウスケ

こんな人の人生を弄ぶようなことを平然とする、あいつが気に入らない

セナ

…………

ユヅキ

…………

ソウスケ

……?なんだ、無言で見てきて

ユヅキ

いや、ソウスケって

ユヅキ

普通に常識あるんだな、って

ソウスケ

…………はあ???

ユヅキ

最初に会った時は、全然そんな雰囲気じゃなかったのに

セナ

ええ。カズマさんに八つ当たりしてるような、そんな感じでしたもん

ソウスケ

……あの時は意味が分からなすぎて、気が動転していただけだ

セナ

ソウスケさんには気が動転していたら、初対面の方に体当たりする習性があるんですか?

ソウスケ

習性、って言うな

ソウスケ

別に……取り乱していただけだろ

セナ

……取り乱した時に体当たりをしてしまう習性がある、と

ソウスケ

習性って言うな、習性って

セナ

…………癖?

ソウスケ

俺はさっきから煽られているのか?

セナ

い、いひゃい!いひゃいへゆ!!ほっふぇはふねるの、やめへくやひゃい!!

ユヅキ

うわー……ほっぺた思いっきり伸ばされて、痛そう……

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