* * *
ソ―ディアへと続く道
* * *
* * *
ソ―ディアへと続く道
* * *
……。
この道……。
5年ぶりか……。
変わってねぇなぁ……。
この荒れっぷり……。
な、なぁ、ポメラの姉御ぉ……。
姉御はやめろ!
アタシの方が年下だっつーの。
だって、俺、姉御の舎弟ですし……。
ああ、まあそうだったな……。
ともかく、姉御。
この馬車はソーディアから少し離れたところまでしかいけませんぜ。
ああ、それはわかってる。
むしろ、その方が好都合だ。
それならいいんですが……。
ソーディアの周辺も、不気味なオーラが漂ってるから、あんまり行きたくは……。
なぁに、その不気味なところの手前でも十分さ。ともかく行けるところまで言ってくれ。
わかりやした、姉御。
まったく、泣き虫のガイアスがしっかり御者になっちゃって……。
***
あ、ウォーレウスのポメラだ!
やーい!お前んち役立たずー!!!
キッ!
うわーい、ポメラが怒ったー!!
逃げろ―!!!
……。
あっ!
あわわわ……
ああ!!ガイアスが崖に落ちる!!!
たーすーけーてー!!
え!?
ポ、ポメラ!
どっこい……
せ!
うわ!
へへ、いっちょ上がり!
た……たすかったぁ……
こ、怖かったよぉ―――!!!
ほら、泣くんじゃないの!
ガイアスはアタシより年上の男の子でしょ。
ヒック……。
う、うん……。
おっけー!
じゃあ、ガイアスはこれから私の舎弟ね。
う、うん……?
なんで!?
だって、アタシはガイアスの命の恩人だよ?
なら、命をもって恩返ししてよね。
ぽ……ぽ……ポメラの……
どヤクザァァァ!!!!
あれからもう15年かぁ……。
風のヴォルク
* * *
ヴォルク家
* * *
フーッ、フーッ……
ヴォルクさん!
気をしっかり!!
気を抜くな、シーラ!
ヴァッ……!!!
はっ!
……!!!
ボクの存在を忘れてもらっては困りますね。
ライル!
危なかった……。
シーラよ、今の露天商に何を言っても無駄だ。ヤツの言ったように、飲み込んだコアを破壊しなくてはならぬ。
は、はい!
シーラ様も、もう少しボクを頼ってくださいよぉ……。
ご、ゴメンナサイ……。
無駄話は後だ、ライルよ。
ポメラの居ない今、格闘戦はお前に頼るほか無い!
任せてください!
む!
スローイングナイフ!
椅子の影から……!
なんの!
………。
ボ……ボクは……投擲以外だってこなしますよ?
さっすがライル!
てへへ
しかしいかんせん、体が軽すぎる……。
ヴォルクの方も機動性重視の戦い方なので噛み合っているに過ぎない。
つまり……。
ヴァウアッ!!!
ひょっ!?
ああ、ライル!
振りほどいて!
ヴァッ!!!
ひぇー!!
ライル!!!
な、なんのこれしき……
グッ……。
……体格差を活かした戦いをされてしまうと、太刀打ちできない。
ああ、また来る!!
加えてこの容赦のない速攻。
風のヴォルクとはよく言ったものだ。
くっ!!
ヴァウア……
ミ
まずい、やられる……
……しかし。
ヴァッ!?
ナ
ライルがピクリとも動かない……。
こ、これは……。
行動阻害の呪詛
《アンチムーヴ・エンチャント》。
前に、ポメラの動きを止めようとした……。
それをヴォルクさんに!
違うぞ、シーラ。
露天商のヤツは速すぎて、呪詛を仕掛けるなど到底無理だ。
え?
か、体が重い……。
まさか、呪詛が付与されたのはライル……?
その、まさかだ。
おかげで、誰かさんの動きも止まることになったがな。
ヴァウァ……。
オ
ほうれ、もう一丁。
行動阻害の呪詛
《アンチムーヴ・エンチャント》!!
レ
ヴァヴァッ!?
さすがのヴォルクさんも、ポメラほどの怪力は持ち合わせてないみたいね……。
ヴァー……。
ヴァー……。
ノ
さぁて、どう料理してくれようかな、露天商。
みぞおちに強烈な衝撃でも与えてみるか?
ソルフェージュさまって……なんかこわい……。
シーラよ、ヘビーマテリアルだ。
露天商のヤツを仰向けに倒して、みぞおちに食らわせるぞ。
はい!
まずはその足を絡め取る!
身じろぎ許さぬ蔦!
《ヴァインバイン》!
モ
そして、もんどり打って転べ!
そこへー……
シーラ!
堅く重きその体。
的を射貫く矢の如く。
天よりその身を降りそそげ!
いでよ、ヘビーマテリアル!
ノ
そのまま、露天商のみぞおちを直撃じゃぁ!
ソルフェージュ様、とっても楽しそう……。
ヴォルクさん、ソルフェージュ様に嫌われてるのかな?
と、その時です。
む!?
あら、めまいかしら……。
いや、違うぞこれは……。
ミ
ナ
オ
レ
ノ
モ
ノ
あたりを白い光が包んだかと思うと、
先程まで目の前にいたアーク=ヴォルクの
姿がなくなっていました。
……ヴォルクさんがいない。
逃げられちゃいましたかね……。
いや、少し違うようだ。
違うといいますと……?
どうやら、遠隔から固有結界のようなものを張られ、連れ去られたようだな。
そんな芸当、一体誰が……。
ヤツの言動から察するに、露天商……いや、ヴォルク・ドルバは、おそらく羅針盤として使われていた。それも、3年以上前から。
つまり……。
トロワに……連れ去られた……?
そういうことになる。
トロワへの足がかりとして探していた『信心の鏡』だったが、まさか直接トロワにつながる者に出くわそうとはな……。
けれども、そのヴォルクさんの行方もわからないような……。
ふっふっふ……。
……ソルフェージュ様?
先程、我が露天商に何をしたか忘れたか?
行動阻害の……呪詛……。
そう。呪詛ならば術者から離れても効果は消えない。そして……!
解呪ならおまかせのソルフェちゃんだよ―☆
ソルフェちゃん!!
あれ、でもなんで解呪が関係してくるのかしら?
わーるい呪詛はどこかなー☆!?
ここかなー☆!?あそこかなー☆!?
虱潰しの解呪
《エンチャントスキャン・ザ・ワールド》!
説明しよう。
虱潰しの解呪《エンチャントスキャン・ザ・ワールド》は、この世界のあらゆる呪詛の種類と場所をマッピングする、光属性の禁呪である。
何というチート魔法……!
さすがソルフェージュ様……。
でたー!
行動阻害の呪詛はここだよー☆
ウスト大陸の南方、ミリオンソードの南側中腹、サ・ヤの洞窟だって―☆
……サ・ヤ?
サ・ヤの洞窟だと……。
それほど遠方から先程の戦いを制御していたのか……。
ここからだと、ウストの北方にあるマタネ港からコケッツに向かうのが早いですかね……。
それなら、ポメラとも問題なく落ち合えそうね。
そうだな。では、その方針でゆこう。
ふぅむ。露天商が『トロワに奪われた』のは『信心の鏡』であり、『己』であったか。
しかし、露天商のヤツは妾の子ではなかったのか?なぜ双子だと言っていたのだ?
似ていないのもそのせいだと思うのだが、ヤツの思い違いか?どうにも気になる。
このまま、目の前の事象を信じて手探りで進むのは正解なのだろうか……。
アーク=ヴォルクとの突然の戦闘から難を逃れて、
次なる目的を見つけたシーラさん達御一行。
その一方で
ソルフェージュ様は
一人悶々とするのでした。
つづく
【勇者勇の装備】
レベル :24
めいせい :312
ぶき :新品の短剣
よろい :鋼鉄のよろい
かぶと :銀の額当て
たて :なし
どうぐ :野ばらのペンダント
焼豚×2
焼きとり×2
霊薬草×5
淡水ザメの煮凝り
淡水ザメの骨
淡水ザメの牙
黒王の羽
いつもの額当て
王の冠
カジノコイン×2560
グリモリテント×3
なかま :[泉守]ダイ
[もふもふ]もふもふ
[魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ :ファイアブレス
トキシックブレス
釣り
カン
介抱
じょうたい:モテモテ
【シーラの装備】
レベル :36
めいせい :7240
ぶき :いつもの本
よろい :いつもの服
かぶと :いつもの飾り
たて :なし
どうぐ :やくそう×94
イーサ薬×9
おみやげ×99
ガラスの破片
なかま :大魔導ソルフェージュ
[コボルト]ライル
とくぎ :しょうかん
値切り
冷やかし
虫の知らせ
ディゾネの思い出
寒さに耐える
好奇心
ギーズの想い
じょうたい:真パーティーリーダー
クロニフィカント