* * *
ラムディッシュ宅
* * *






ラムディッシュ

えーっと、グリモリテント、グリモリテントっと……。


ミリオンソードの裏尾根から戻ってきた


ラムディッシュさん。


お家で何やら探しものです。

ラムディッシュ

おーい、うちの備蓄品のグリモリテントってどこだっけ?

エレザ

はいよ、持ってきたよ。
うちにあるのはこの2つだね。

ラムディッシュ

お!さっすがエレナ!

エレザ

あんた、下山するなり忙しそうだねぇ……。

ラムディッシュ

なーに、ちょっくらジョルジュ・サンドまで野暮用でさぁ……。

エレザ

ジョルジュ……ってあんた、あんな過酷なところに行くつもりかい!?

ラムディッシュ

そうさ、勇者様の手伝いでな。グリモリテントも3人分必要で、今勇者様達が街で工面している。足りない分はうちの備蓄から持ち出すって寸法よ。

エレザ

あんたが……冒険の旅に?

エレザ

ねぇ、あんた……、それは断れないの……。あんたには冒険は向いてないって……。

エレザ

それにアタシ、嫌な予感が……。

ラムディッシュ

なあに、大丈夫だって。
今回の登山で俺は一回りも二回りも大きくなったんだ。戦闘になったって俺が蹴散らしてやるってぇの!

エレザ

本当に……?

ラムディッシュ

もちろん!

エレザ

絶対に……無事で帰ってきてよ……。

ラムディッシュ

心配すんなって!

ダイ

ただいまー!

勇者

街にあったのは2つだけでした。

ラムディッシュ

十分十分!
うちにも2つあったから3人分には足りてるさ。よし、行くぜ!

ラムディッシュ

じゃあな、エレナ。
またちょっくら留守にするぜ。
今回は流石に一日とかでは済まないと思うが……。

エレザ

気をつけて……。

ラムディッシュ

ああ!




















トロワの羅針盤
















* * *

ヴォルク家

* * *



ヴォルク

そこまで知ってしまったか……。

ヴォルク

あんたらの事を疑っていたわけではないが……。

ヴォルク

いや、それはウソか。
信頼しきってはいなかった。

シーラ

ヴォルクさんって……何者なんですか?

ヴォルク

太陽侯の……ディゾネの双子の弟さ。

シーラ

双子の……。その割には……。

ヴォルク

あんまり似ていないとか言わんでおいてくれ。これでも気にしているんだ、影武者の役目も務まらんでな。

シーラ

す、すみません……。

ヴォルク

じゃがな、この細身の体も使いようでな。
全盛期のワシの電光石火の進撃は、風のヴォルクと呼ばれ恐れられたものさ。

シーラ

へぇ……。

ヴォルク

……そして……当然、このワシもアインスタークの討伐隊に当てられていた。

ソルフェ

……。

ヴォルク

あれは3年前……。
アインスターク討伐に向かったディゾネとは別動隊で、私も少数の軍を率いてアインスターク城の攻略にあたっていた。

ヴォルク

ディゾネが揺動をしかけ、そのスキにアインスタークの懐へ忍び込み首を取る。それがその時の作戦だった。

ヴォルク

ところが、どれだけディゾネが揺動を仕掛け続けても、アインスターク打倒の報はそのもとに届かなかった。

ヴォルク

なぜだかわかるか?

シーラ

ディゾネさんが……アインスタークに負けてしまったから……?

ヴォルク

それなら……まだ良かったのかもしれないな……。

ヴォルク

ふぅ……。


ため息を付いたヴォルクさんは


しばらく窓の外の空を眺めます。


そして……。

ヴォルク

一つ、大切なことを伝えておこう。

ソルフェ

ピクッ。





と、再び口を開きました。




ヴォルク

『信心の鏡』はトロワが所持している。

ソルフェ

は!?

シーラ

え!?

ソルフェ

唐突に何を言い出すかと思えば、
トロワが『信心の鏡』の所持者だと!?

ソルフェ

一体どういうことだ、露天商!

どうしてそれをひとりで抱えていた!?

そして、なぜお前がそんな事を知る!?

ヴォルク

ふむ……。
なぜ、か。

ヴォルク

一つ。『信心の鏡』の紛失は、アンゲドルバの求心力が落ちる。それを回避したかったのだ。
実際、この国はギリギリの所で回っている。ムーンドルバの元に神器がある事は民の意識に関わるのだ。

ソルフェ

夜月侯のやつ、強がっておったか……。

ヴォルク

二つ。トロワは言霊を操る能力を持つ。
やつに不利な事を口にすることで、ヤツに気づかれてしまうのだ。

ソルフェ

だから、おいそれ語れなかった、と。
バカな、万人の会話を監視しているとでも言うのか!?

ヴォルク

もちろん、万人の監視をしているわけではない。

ヴォルク

トロワは略奪と封印の邪神。
やつはあらゆるものを奪いて封じ、羅針盤として利用する。そして、その羅針盤が監視され続けるわけだ。

ソルフェ

……羅針盤とはなんなのだ、露天商?

ヴォルク

……。

ヴォルク

……あんたらの力は確かなようだ。
だからワシは安心して口にすることが出来た。

ソルフェ

……む?




その時、ヴォルクさんの表情が


苦痛に歪みました。

ヴォルク

グッ……。

シーラ

大丈夫ですか、ヴォルクさん。



うずくまったヴォルクさんは、


懐から何かを取り出します。



ヴォルク

いいか、弱点はこの宝玉だぞ!
それがコアだ!

シーラ

どうしたんですか、突然……。
それが一体何の弱点なんですか?

ヴォルク

コアを叩けば機能を停止すル。
チュウチョすルでなイ!


というと、ヴォルクさんは


その小さな宝玉を飲み込みました。


すると……。

ヴォルク

あぁァァァ!!!!



雄叫びを上げたヴォルクさんの皮膚が


みるみる硬質化していきます。












アアアァアァァ!

風のアーク=ヴォルク

アーク=ヴォルクが現れた。

シーラ

ヴォルクさん!?




























つづく

【勇者勇の装備】
レベル  :24
めいせい :312
ぶき   :新品の短剣
よろい  :鋼鉄のよろい
かぶと  :銀の額当て
たて   :なし
どうぐ  :野ばらのペンダント
      焼豚×2
      焼きとり×2
      霊薬草×5
      淡水ザメの煮凝り
      淡水ザメの骨
      淡水ザメの牙
      黒王の羽
      いつもの額当て
      王の冠
      カジノコイン×2560
      グリモリテント×3
なかま  :[泉守]ダイ
      [もふもふ]もふもふ
      [魔導エンジニア]ラムディッシュ
とくぎ  :ファイアブレス
      トキシックブレス
      釣り
      カン
      介抱
じょうたい:モテモテ

【シーラの装備】
レベル  :36
めいせい :7240
ぶき   :いつもの本
よろい  :いつもの服
かぶと  :いつもの飾り
たて   :なし
どうぐ  :やくそう×94
      イーサ薬×9
      おみやげ×99
      ガラスの破片
なかま  :大魔導ソルフェージュ
      [コボルト]ライル
とくぎ  :しょうかん
      値切り
      冷やかし
      虫の知らせ
      ディゾネの思い出
      寒さに耐える
      好奇心
      ギーズの想い
じょうたい:真パーティーリーダー
      クロニフィカント

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