僕はクリスマスが一番好きな日だ。何故って、それはクリスマスパーティーに呼ばれているからだ。場所は友達のクリスちゃんの家、好きな人に正体されるなんてなんて運がいいんだろう。
僕はクリスマスが一番好きな日だ。何故って、それはクリスマスパーティーに呼ばれているからだ。場所は友達のクリスちゃんの家、好きな人に正体されるなんてなんて運がいいんだろう。
今日は明日のクリスマスパーティーにむけてクリスマスプレゼントを買いに行くんだ。
みんなに喜んでもらういいクリスマスプレゼントを選ぶぞ!
止めておけ、俺
えっ、いきなりなんですか! 事案ですよ!
御託はいい。そんな事よりも俺は二十年後のお前だ
……はぁ
どうしよう。危ないタイプの変質者だ
信じられないようだな。なら、お前はクリスマスパーティーのプレゼントを買いに行く途中だろう
えっ
ついでに大好きなクリスちゃんが喜んでくれるプレゼントを選ぼうとしてるな
うっぎ
どうしてそれを
俺がお前だからだ
嘘だ!!
だったら証拠はあるのか!
目の前の男に図星を突かれ段々と二十年後の自分ではないかと思えてきた。しかし、証拠はないはずだ。証拠がなければ僕は信じない。
証拠はある。だが、言えない。禁則事項だからだ
ほら、嘘だから答えられないんだ
クリスちゃんの事が好きなんだろ? クリスマスパーティー用にギャグも用意しているだろ? なんで知っているかって俺がお前だからだ
確かにその通りだ。なんで知っているのかわからないけど、これだけは確かめないと。
待て、僕はこんな運動即なデブなんかにならない
なるんだよ! 今年のクリスマスパーティーでな!!
ウソダソンナコト!!
雪崩のように手足をついた。あまりにも信じがたい物事に絶望してしまったからだ。
男は子供に駆け寄り優しく語りかける。
……良く聞け、七歳の俺
お前はクリスマスパーティーで好きなクリスちゃんにモテようとクリスマスギャグをしようとしているな
……うん
面白い人が好きって言っていたクリスちゃんにモテたく必死に考えた――
クリスマスに栗と鱒を食べたいがダダ滑り
次第にクリスちゃんがクリスマス関係ある? と言われる始末
俺は死にたいと思った
……えっ(面白いと思っていたのに)
その日以来、その事がトラウマになり女と喋る以前に怖くなって仕方なくなった
また、死んだ魚のような目で見られているんじゃないかと恐ろしくてたまらなくなる
勿論、クリスちゃんとはクリスマスパーティー以来、疎遠になった
そのトラウマとストレスのせいか女を憎むようになり生活も悪くなる一方、高校性になる頃はこんな感じさ
クリスマスになるとSNSでリア充にクソリプを送るのが楽しみになる。挙句の果て警察にお世話になるとは知らずにさ
もう止めてよ。これ以上僕に変な未来を教えないでくれよ……
何しに来たんだよ……昔の自分をいじめて楽しいのかよ……
そんな訳無いだろ。俺は最悪な未来からお前を助けに来たんだ
最悪な未来から……助けに?
いいか。俺がこうなった原因はクリスマスパーティーでクソつまらんギャグでクソ滑りしたからだ
なら、どうするかもうわかっているな
そうか――もっと面白いギャグを考えればいいのか!
バカチン! 俺の話を聞いてなかったのか!!
ギャグをするな。それだけでお前は俺みたいにならない
でも、クリスちゃんは面白い人が好きだって言ってたじゃないか
いいか。クリスちゃんの言う面白い人はけしてお笑い芸人みたいな人を指しているんじゃない。面白い会話をしてくれる人が好きなんだ
えっ、面白い人と面白い会話をしてくれる人って同じじゃないの?
同じじゃない。子供には難しいが大人になれば分かることだ
……う、うん
そんな事より聞け、明日のクリスマスパーティーでギャグをするな。どんなに盛り上がっていてもノリと勢いでギャグを披露しなければこうはならない
二十年後も楽しくしたいならギャグは捨てるんだ。自分の短所を生かせ
――わかったよ
うん、お前は俺になるな、人を憎む小さな人間になるなよ……じゃあな
そう言い残すと二十年後の僕は何処かに行ってしまった。僕は寂しげな後ろ姿を見えなくなるまで見送った。
僕は未来の僕に言われた事を守る。そう決めてクリスマスプレゼントを買いに行った。
明日に続く