ランディ

シャセツ!
此処よりあの通路の先に
行ってくれ!!
ジュピターが
一人で戦ってるはずだ!

シャセツ

ランディ

オメーしか助けられねー!
行ってくれっ!

シャセツ

世話の掛かる奴等だ。

 ランディの声を聞き、前進する方向を瞬時に変えたシャセツは、ジュピターが戦う通路に消えた。

ランディ

あと、そのナイフ持った奴は
ロココが探してた魔物だ!
殺すなよ!

フィンクス

アイツか。

ランディ

あと、鷲型に隙を見せたら
ブレスで一層されちまう。
雑魚共で近付けねーから
弓で牽制してくれ!

リュウ

分かった。
タラト、
アイツは攻撃したら駄目だ。

タラト

ハル……
いじめ、た。
ゆるさ……ない。

シャイン

ハルをやったのは
あの蛇みたいなやつ等よ。
(多分だけど)

タラト

わか、った。

 タラトは蛇型の魔物を次々と潰していく。一番大きい蛇型を残して全部の蛇型を潰し、通った場所にはバラバラにされた岩しか残っていない。

 タラトは蛇型の強烈な一撃を難なく躱す。すぐさま攻撃に転じようとしたタラトの目に、残骸となった岩を身体に吸収する蛇型が映った。

 そう、今の攻撃はタラトに当てる為でなく、残骸を吸収する為のものだったのだ。

 蛇型の目が青白く光った瞬間、吸収した岩が大量に飛来する。蛇型が巨大なせいで、タラトの上から雨のように岩が降り注ぐ。

 タラトは為すすべなく、岩の下敷きになった。

シェルナ

タ、タラト!?

 シェルナは離れた場所でハルの応急処置をしていた。タラトが下敷きになったのを確認するが、他の雑魚が2体近寄ってきて、助けにいけなかった。

フィンクス

タラト!?
ク、このっ!
うようよとうっとぉしい!

 フィンクスとシャイン、それにランディは、大量にいる雑魚共の相手に追われている。数は減りつつあるが、もともとの数が多く殲滅には至らない。


 リュウはランディに促されたように、鷲型に対し弓で応戦している。

シャイン

アアッ!?

 チーギックが投げた投げナイフがシャインを襲った。ギリギリ躱したものの、リアに買ってもらた貴重な腕輪が裂かれてしまい、迷宮の地面に落ちた。

シャイン

く、アタシの印老痕が!
しかもアタシと同じ
投げナイフで!
ムッカつく~。

 貴重な装備を自分の得意とする投げナイフで失い、頭に血が上ったシャインは、反射的に投げナイフをチーギックに投げる。が、数的不利の状況かつ遠距離の現状では簡単に躱されてしまう。

フィンクス

シャイン!
遠くからじゃ素早い奴には
当たらないっ!
まず数を減らすんだ!

シャイン

数が減ったら奴は逃げるのよ!
奴は数的不利なまま
捕えるべきじゃん!

フィンクス

兎に角、落ち着けっ!
頭に血が上ってたら
取り逃がす羽目になるぞ!

シャイン

うっさいっ!
アタシが一人でも
捕まえてみせるじゃん!

シャイン

っく!?
ちょこまかと
うざったいわね!

 シャインの強引すぎる攻撃は、チーギックに当たらなかった。回避の時に、余裕をもって避けられているのが誰の目にも分かるほどだった。








 リュウ達6人からすれば、突然の状況でクリアしなければならない事が山積している。


 ・ジュピターの援護
 ・ハルの応急処置
 ・大量の雑魚の殲滅
 ・鷲型の牽制、討伐
 ・蛇型の討伐及びタラトの救出
 ・それらを盾に攻撃してくるチーギックへの対応
 ・それに何よりそのチーギックの捕獲






 各々が手一杯で自ら最善の為に動いているが、食い違う部分がジワリと出てくる。しかもそれは、普段仲が良いフィンクスとシャインとの間で起きていた。雑魚の殲滅を優先すべきと考えるフィンクスと、そうなる前に逃走されるからと、無理にでもチーギックを狙うシャイン。




 この二人の小さな決裂を横目に見ていたランディは、不吉な予感を巡らせ、季節外れの凶星を思い出してしまっていた。

 ~編章~     200、小さな決裂

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