さて…使用人室だ。
ここには、机、旅行鞄、クローゼット、ベッドがあるけど…どうする？

全部目星か…目星に自信があるやつは、旅行鞄か机を調べてくれ。

じゃあ、俺机行くよ。今回はちゃんと高いんだ。

今回医学に全振りしたからなぁ…ベッド行くわ。

じゃあ…僕はクローゼット行きます。多分、目星はヴェレッド君のほうが高いので…

わかった。じゃあ、僕は旅行鞄を見る。

うんうん、サクサク決まっていいねぇ…
それじゃ振って～

やったぜ！！！

調子戻ってきたんじゃない？

継承くんさすかです！！

これからもこの調子で頼むぞ、クリティカラー！

ふむふむ…それじゃあね・・・

机にはメモと簡単な筆記具
旅行鞄には数日分の着替えと救急セット
クローゼットにはスーツがかけられていて、ポケットの中にマスターキー
ベッドには何もない
…ということが各々わかるね。

え…それだけ？

それだけさ

薬は？

それらしいものはどこにもないね。

…こうなることを見越して、すでに処分されてしまった…とかでしょうか…？

うーん…ありえない話じゃないね…

……そうだね、波里はさらに、こんなことを思いつくよ。

ん…？

…………

どうした？

……RPするぞ。

ダレン、あのさ…

はい、なんですか？

もしかして、昨日眠れなかった？

…へ？

…波里君、こんな時に何を…？

いや、こいつ目元にクマ作ってっからよ。ちょっと心配になって…

え…そうだったんですか？
すみません、全く気付かずに…

………

…どうなんだ？

…あはは、さすがお医者さんですね…その通りです。実は昨日、ちょっと寝つきが悪くて…

おいおい…そういうことは早く言えって！

…もしかして昨日、ダレンさんもあの音を聞いたんですか？

あの音？

ええ…昨晩、妙な音を聞いたんです。廊下から、何かが滴るような音を…

…なぜそういうことを早く言わない？

すみません、あまりにも些細なことで、忘れていたもので。

貴様…それが事件解決の糸口になることもあるんだぞ！しかも昨晩と言ったら、双葉君が殺害された犯行時刻とも一致するじゃないか！！

お、おい落ち着けよ！
物忘れくらい、誰にだってあるだろう？

しかし…！

あの！！

…………すまない。君の話だったな。

い、いえ…僕のほうこそ…

その音…実は、僕も聞こえたんです。
でも気味が悪くて…音の正体を見に行くことはできませんでした。

それで、昨日は眠れなかったのか？

…はい…ちょっと怖くて…

…そっか。んじゃ、今日はよく眠れるように、ミルクがゆでも作ってやるよ。

…すみません…

…一度は白だと思ったが…なぜその情報を隠すんだサヴァラン…？
それに、ダレンのクマも…今ここで出す情報としては的外れなんじゃ…

……KPは何を考えている…？
あのナーサリーのことだ。意味のないことを重要情報のようにちらつかせることも儘あるだろう。でも今のはクリティカル情報のはずだ…なおさらなぜこのタイミングで…？

……まさか…

…ってわけで、KP！
サバイバル経験を生かして料理するぜ！！

OK。他にやりたいことがなければ、宣言通り夕食をとって、今日はおしまいだけど…どうする？

わざわざそういうってことは…今出る情報は取りつくしたってことだね。

僕はいいですよ。何も思いつきません…

……僕もかまわない。一度一人になって、整理したい。

よ～し！んじゃ張り切って…
サバイバル振るぜ！！

サバイバル？？？

おう！波里のユニーク技能だ！！
ほんとは海釣りとかで使いたかったんだけどな！！

OK～、んじゃどうぞ～！！

いっちょ上がり！！

それじゃあ、君は冷蔵庫のあり合わせで、おいしいミルクがゆを作ることができるね。心も体もあったまるよ！

多分…聞いた感じだと、乙姫は出てこないよな。部屋の前に届けるだけ届けとくぜ。

りょーかい。それじゃ、返事こそなかったものの、しっかり食べたみたいだ。しばらくして戻ると、空の容器が外に出てるよ。

良かった…食欲はあるんですね…

食ってくれてるなら一安心だな。

…お前たちがPLしててくれてよかった。

わかる

お前らはわけわかんねーとこでピリピリしすぎなんだよ！！ちょっと落ち着けって！！

善処する…

善処するよ…

あ、あはは…

それじゃ…この後は、みんな疲れでそのまま自室に戻って眠ってしまうね。
ミルクがゆの効果もあって、今日はぐっすり眠れるだろう。

戸締りはしっかりしろよ。

そちらこそ…明日の朝に死んでたとか、やめてくださいよ。

物騒なこと言うんじゃねえ！今冗談になんねえんだからな！

すみません、ブラックジョークが好きなもので。

笑えないですよ…

はあ…しかし、天夢君の言うとおりだな。戸締りをしても、過信は禁物だ。

何かあったらすぐに助けを呼べ。必ず駆けつける。

おう。そういうことがないのが一番だけどな。

そうですね…お互い気をつけましょう。

おやすみなさい。

おやすみなさい。

おやすみ！

挨拶を交わすと、探索者たちは各々部屋に戻っていくね…

……いったん、全員別室で待っててもらっていいかな？

？ん、わかった。

あ、一応夜時間なので、皆さん別々の部屋でお願いします。案内しますね。

んー、ありがと、アルバ。

さて…ヴェレッド。君は次の日の早朝、外から何かが落ちる音で目が覚めるね。どうする？

…？

見に行く。

OK。じゃあ、セッション部屋に戻ってきて。

…おかえり。みんな揃ったね。
では、音を聞きつけて起きてきたダレン、波里、ヴェレッドは、玄関ホールで鉢合うよ。

あれ、サヴァランは？

見に行くの断ったのか？

え？でも、サヴァラン君そういうタイプじゃないですよね…？

……部屋行く

OK、ほか二人は？

ついてく！ダレンも来てくれ！！

はい！

では、君たちは天夢の部屋に行くね。

ノックして声をかける

天夢君、ローサイトだ！いるなら開けてくれ！！

…返事はないね。

…入れるか？

鍵がかかってるね。

…………

…………

…………

……外、行こう

…ああ。

…声だけかけていきましょうか、一応…

ああ。出歩くなって言っておこう。

OK…それじゃあ、君たちは、音の出所を探るために外に出るね。

外は相変わらずの雨模様だ…ここで、みんな聞き耳振ってくれる？

それじゃあ、波里は洋館の裏のほうから、携帯のアラーム音が聞こえることに気づくね。

二人に伝えて、その方向へ向かう！

ああ、いいよ。それは近づいていけば、しっかり二人の耳にも届くだろう。

音の発信源は、ごみ捨て場だった。
昨日洋館の周りを調べたヴェレッドなら、昨日まではなかった、異様なものがそこにあるのがわかる…いや…

きっと、ヴェレッドでなくとも、そこにあるものが異様だと、わかるだろうね。

…………

…………

…………

そこにはーー

己の血で真っ赤に染まり、四肢が捥げてしまった、涙崎天夢の死体が捨てられていた。