晩酌しながらダラダラとテレビ画面を見ていた俺に向けて、隣に座った美穂がつまらなそうに話しかけてくる。
遊園地か……。混んでそうだし面倒だな。
そんな事を思った俺は、酒のつまみにと美穂が用意してくれた枝豆を一莢《ひとさや》掴むと自分の口へと運んだ。
元来、俺はアウトドア全般を好まない。他人《ひと》との面倒な関わりを極力避けたいというのもあるが、単に人混みが苦手だということも理由の一つだ。
言ってしまえば、仕事以外の自由な時間は全て自宅でゆっくりとしていたい。というのが本音だったりする。
そんな根っからのインドア派である俺の趣味といえば、自宅でのんびりとホラー映画を鑑賞することで、まさに今、晩酌をしながらその趣味の真っ最中である。
今日借りてきた映画はどうやら失敗だったようだ。イマイチ盛り上がりに欠ける映像をボーッと眺めながら枝豆に手を伸ばす。
俺に付き合わされる形で興味なさ気に画面を流し見ていた美穂は、そんな俺の顔を覗き込むと口を開いた。