Chapter1-4:庄司霧子、浅羽大

庄司霧子は、頭を抱えていた。
数人にインタビューという名目の聞き込みをしたが、誰も『銀色』を認識していない。
誰もが『銀色』を見て

なんだ?

と驚く……。
それは芝居などではなく、本当に驚いている様だった。

コンビニの店員も、変な勧誘してきたおばちゃんも、
みんな、間違いなく驚いていた。

どうなってるの?
あれは……何なの?

庄司霧子が、浅羽大の元に戻ろうとすると。
携帯が鳴った。

えっと……浅羽さん……?

あーーー。ショージ。
インタビュー終わったか?

え、あ、はい

どうせ、誰も知らなかったろ?

え、そ、そ、そうですね。浅羽さんは、何か知ってるんですか?

いや、知らないよ。
知らないけど、まぁ、そんなトコなんだろうなって

そんなトコって―――

でだ

……で?

いま、建物の目の前まで来てる

は?

だから、『銀色の』建物の前まで来てる

いや……勝手に動かないって―――

まぁ、だから、あれだ。
これが報告だ

それは報告とはいいませんよ!

まぁ、まぁ、まぁ……でだ

……で?

近くには誰もいない。
いや、正しく言うと、誰も気にしてないんだ。
だから、ちょっと触ってみるわ。
銀色を。

え?ま、ま、ま、ま、まってください!

なんだよ

落ち着いてください。
触るのは危険です

そうだろうな。
こんなにハッキリと奇妙な事が起きてるのに、誰も見向きもしてない

そうです

そして、歩く人間に、これ知ってるか?って聞けば、驚く。
つまり、そこで認識するんだ

そうです

だから、触ってみる

いやいやいやいや。
順を追って説明してるっぽいだけで、全然説明になってない!

そうか?

そうです。
だから、いいですか。
絶対に触らないでくださいね。

絶対か?

絶対です

……それ、フリって言うんだろ。
知ってるぜ。

……違います

まぁ―――考えとくわ

うそ……ちょっと!ちょっと!!ちょっと!!!!

庄司霧子は、銀色の建物に向かって走った。

……つづく

<運命の選択>
銀色の建物を触ろうとしている浅羽大。

彼は本当に触ってしまうのだろうか……。
その運命を決めるのは、あなたです。

Twitterにて投票を行います。
・銀色を触る
・ショージを待つ

Chapter1-4:庄司霧子、浅羽大

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